【銀魂】真選組の小娘ちゃん １4

第598訓 「かわいい」は信じてはならない ページ39

土方side




「大丈夫ですって〜きっと可愛いですよ〜。私には及ばないけど、ファンの子達もかわいい〜って言いますよ。なんせアイツらはかわいいと言っている自分がかわいいと思ってる結局自分のことしか見てないバカみたいな奴らなんですから〜。」

土「お前は誰の悪口を言ってんだ！！つか、あの、そろそろ本気で苦しいから、ヤバいから意識がなんか朦朧としてきてるから。」







やっと解放された俺は咳き込みながら肩で息をする。マジで死ぬかと思った。





「一回だけ。一回でいいからやってみましょうよ〜ね？」

土「……一回やったらすぐに出てくか？」

「もちろんもちろんモチモチの木。」

土「うわ、懐かし。」






これ以上こんなことに付き合うのもごめんだ。ここは少しの間我慢することで乗り切った方がいいのではと、覚悟を決めた。

葵も一回だけやればすぐに出て行くと言っている。一回だ。その間ただ耐え忍び、この子どもを満足させれば終わるんだ。そしてあとはほかの隊士がここに来ないことを祈るだけ。特に総悟なんかに見られたらこれから一生ネタにされるに決まっている。頼む、今だけは来てくれるな。葵が鼻歌交じりにリボンを俺の頭に結び付けている間に思うことはそれだけだった。




が、








沖「あれ？何してんでィ二人して。って、土方さんそれ…」

土「………終わった。」

「はい終わった！ほらやっぱりかわいいじゃないですか！！あ、総悟。総悟も見てよほら、かわいいよね？」

土「終わった。全て終わった。安易に許した俺がバカだった。」





あー、笑われるんだろうな。そして明日にはこのことが全体に広まり、俺はゴミのような目で見られる生活が始まるんだ。鬼の副長なんて者はこの世から消え去り、残るのは全てを失った鬼の抜け殻だけ。


はは、なんかもう、どーでもよくなってきた。そうだ笑えばいい。皆笑えばいいさ。俺も含めみんなみーんな笑えばいい。きっと総悟も今目の前で笑い転げて、





沖「……………。」





あり？笑ってない？爆笑してない？嘘だろ絶対笑うと思ったのに笑いながら連写すると思ったのに。

はっ、まさか状況を読んで俺が仕方なく葵のおもちゃになったことを察して…







沖「土方さん、アンタ、そんな趣味が…」

土「総悟ォォォォ！！！違う違うからァァ！！！何その反応予想外なんだけど！！それなら笑ってくれた方がマシだからァァお願いだからそんな目で見ないでェェェェエエ！！！」

第599訓 守られなければいけないのはあくまでも被害者→←第597訓 諦めろ、相手が悪い時もある。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す