【銀魂】真選組の小娘ちゃん １4

番外編 真選組一家 ページ34

朝。小鳥のさえずるいい朝。

ではない。冬の朝はキツい。布団から出たくはない気持ちを何とか抑えて、父と兄よりも早く起きる。母は既に起きて朝食の準備をしていた。

「おはよ〜。」

X「おはよう葵。朝ごはん食べ終わったら渡しましょうね。」

「うん。」


そう、サプライズは朝食が済んでから。つまりそれまでにあの二人から私は冷蔵庫を死守しなければならない。納豆が欲しいと言われれば私が取りに行くし、牛乳が欲しいと言われても私が取りに行く。とにかく二人に冷蔵庫の中を見せてはならない。例のブツが入っているからだ。


近「おはよう二人とも。えーと確か冷蔵庫にヤクルコがぶほべらッッ！？！？」


冷蔵庫に向かおうとする父の腹に膝蹴りをくらわしてやった。まさか、今日に限ってヤクルコとは。予想外の行動に出る困ったゴリラだ。


X「………葵、もう少し平和的なやり方も覚えなさい。」

「平和的なって、こんなの？」


母の言う「平和的な」とはどういったものなのかを確認するため、起きてきて冷蔵庫に向かおうとする兄の足元にバナナの皮を投げた。



沖「グホォッッ！？！？」


兄は見事バナナの皮に滑り、冷蔵庫の角に頭をぶつけ、また眠りへとついてしまった。



X「………まぁ、そうね。今のはお兄ちゃんの不注意だものね……。」



そんなこんなで皆でご飯を食べ終わり、遂にサプライズタイム！！


「じゃーん！！お父さんにはこれ！！チョコバナナ！！！」

近「え！！あそうか今日はバレンタイン！！だから昨日は俺たちを早く寝かせたのか〜。もう〜それならそうと言ってくれよ〜。」

「ビックリさせたくて〜。」

近「ありがとう葵ちゃん！！パパは嬉しいよ！！おぉなんて美味そうなチョコバナ…ナ…。」


父は私のチョコを見て固まってしまった。


「どしたの？」

近「…葵ちゃん、これ、皮ごと？」

「うん！！お父さんは皮ごとでしょ？」

近「え、あ、うん。そう、だね…。ありがとう…。」


予想通り、喜んでくれて何よりだ。そして母からもチョコを貰った父は顔が引きつっていた。まぁ、あれは無理もないよね。ほとんどマヨネーズだものね。と、父に同情しつつ、次は兄にチョコを渡すため、昨日作ったチョコを持って兄の所へ。行こうとした。

が、次の瞬間先程床に落としたバナナの皮で滑ってしまい、物凄い勢いで前えと倒れた。そしてそのまま持っていたチョコが兄の顔面へダイブ。

兄はその衝撃で床に倒れ、床にはタバスコがぶちまけられた。

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