【銀魂】真選組の小娘ちゃん １4

第583訓 静寂は緊張する ページ16

新八side




この小説の主人公であるはずの人物も予想外の成長を遂げていた。今や真選組のトップ２は僕の記憶の中ではいつも土方さんに怒鳴られていた悪ガキ二人組。この二人がトップに立つ組織、まともなわけがない。


改めてとんでもない所に放り投げられたものだと、今の自分の状況に絶句した。こんな、こんなバカみたいな所でこれから僕がやって行けるわけない。ここに僕の居場所などない。家に帰りたいとも思うが、その家にさえ、僕の居場所は存在しない。


ただ、絶望に浸るしか、僕に道はないのか。






そうして涙を流す僕を横目に、葵さんは前方へと歩き、沖田さんの隣に立った。









沖「それで、その棚は一体何が高いのだ？まさか寸法でもなければ値段でもなく製造者の年齢層が高いのか？」

「え、もしかしてあんた喋ってない間ずっとソレ考えてたの？」





ほら、組織のトップ２がする会話じゃないもの。こんなに大勢の隊士整列させといてする会話じゃないもの。答えが出たところで何も生み出さない、繰り広げるだけ無駄なしょーもない会話だもの！！！








沖「フン、まあいい。それより、二年にも及ぶ出張、ご苦労だったな。」

「へぇ、一応労いの言葉はくれるわけね。何よ、二年も私に会えなくて寂しかったの？」

沖「何をバカなことを。戯言はよせ。そんなことより、早速出張報告をしてもらおうか。」






そうだ、葵さんは二年間出張に行っていたということになっている。一体何をしに出張なんて。この組織はもはや警察なんて聞こえのいいものじゃない。完全にテロリスト集団だ。そんなヤツらの仲間になって犯罪の片棒を担がされるのなんて御免だ。長期間の遠出ということは、もしかしたらコイツらはこの江戸だけでなく、いずれは全宇宙をも支配下に置くつもりなのかもしれない。



沖「まずは、最重要事項だ。」



全員が耳を傾けシンと静まり返った中、沖田さんの重々しい声が響いた。取り敢えず情報を手に入れようと僕も耳をすます。一体どんな報告内容なのか、とんでもないものではないことを願い、唾を飲み込み待った。









沖「お土産何？」

新「いやある意味とんでもないわァァァァァァァ！！！！」

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