第179訓 人間にも動物にも出来ることと出来ないことがある ページ6
土方side
土「おいおい、こりゃあ一体…」
沖「今度こそ、と思ってもう一度トライしたらこのありさまでさァ。まったく、こりねぇな近藤さんは。」
今しがた屯所に帰って来た。先程見廻り中休憩と称して落ち込んだ心を落ち着かせようと公園のベンチに座っていると、万事屋と偶然にも会い、チャイナ娘もまた酷く反抗期であることを知った。葵だけじゃないと知って少々安堵したのも束の間、帰ったらこれだ。
近藤さんはもう一度葵に話しかけようとしたが、どうやら失敗に終わったらしい。
土「あんま余計なことすんな近藤さん。今はそっとしとくべきだ。」
近「だ、だって、グスっ…いけると思ったんだもん！グスっ…」
土「何でいけると思ったんだよ。」
得体の知れない根拠の無い自信に襲われた近藤さんを哀れむ。
土「とにかく、近藤さん。あんたがんな部屋の隅で泣いてたらいつまでたっても仕事が始まらねぇ。いい加減切り替えてくれ。」
近「トシ！ゴリラにはな！出来ることと出来ないことがあるんだぞ！」
土「取り敢えずその鼻水と涙を止めることは出来るだろ。ゴリラにも。」
「ゴリラを舐めるな！ゴリラはなぁ！」と、ゴリラについて語り出した近藤さん。もう自分がゴリラだと認めてしまっている。どうしたものかと頭を悩ませていると、総悟が「やっぱりおかしくねぇですかィ」と呟いた。
土「何がだ？」
沖「今日の朝からいきなり、ってのがでさァ。近藤さんは知らねぇが、昨日までは少なくとも土方さんには普通だったわけでしょ？一夜でこんな極端に態度が変わりやすかィ？」
土「………。」
そうだ、その通りだ。それはそうなんだが、じゃあだとしたら何だ？普通に反抗期じゃないとなると、他にどんな原因が思い浮かぶ。
沖「土方さん、何か葵の気に触るようなことしやした？」
土「いや、記憶にねぇが…」
沖「当たり前でさァ。あんたの場合存在そのものが気に触るんですから。」
土「それなら聞く必要なかったろ！」
「お前は仕事戻れ！」と総悟に言うと、意外にも素直にその場を立ち去った。俺は山崎を呼び、近藤さんを何とか仕事に戻すよう言う。山崎は相当嫌そうな顔をしたが、俺が刀の刃をチラつかせると「喜んで！」と言って近藤さんを説得し始めた。
俺も書類仕事をするため自室に向かう。
そういや、万事屋んとこのチャイナ娘も、昨日までは普通だったのに、今朝から急に…とか言っていたな。
第180訓 世界にはびっくりする名字の人が結構いる→←第178訓 弟は大体兄貴の言うことは信じる
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パーピー - 凄い面白いです‼︎葵ちゃんが女の子の日とか見てみたいです‼️ (2022年3月14日 1時) (
レス) @page2 id: f9a1a17fc3 (このIDを非表示/違反報告)
パピポ - 面白かったです！！何でこんなに面白いのが書けるのか、、、凄いですね！！これからも応援してます！！！ (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8120e490b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 初さん» コメントありがとうございます！真選組一家は私も好きで、続編書きたいなと思っておりました！ぜひ書かせていただきます！！！ (2018年1月21日 14時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
初 - いつも面白い！真選組一家面白い！続編書いてくれると光栄です！ (2018年1月19日 10時) (レス) id: d264f6d83a (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 闇の幼馴染みさん» (・・?)すみませんが、どの長谷川さんの話でしょうか？ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナ | 作成日時：2017年7月9日 23時
