【銀魂】真選組の小娘ちゃん ５

第178訓 弟は大体兄貴の言うことは信じる ページ5

No.side


銀「ほらアレ。よく、弟とかってさ、親の言うことは聞かなくても、兄貴とかの言うことは聞いたりするじゃん。兄貴の言うことは絶対！みたいな期間があったりするじゃん？」

土「そ、そうか？」

銀「そうそう。」


本当か？と、眉をひそめながら頭上に疑問符を浮かべる土方だが、実際のところ今の状況はそれに近いので、あながち間違ってはいないのだろうと推測する。


土「つーか弟じゃねぇだろ。」

銀「細けぇことは気にすんな。」



銀時は、「それにしてもよぉ」と続ける。



銀「part５まで来れて、喜ばしい事態なのに、何このスタート。いきなりこれですか？地獄ですか？part FIVEじゃなくてpart HELLですかコノヤロー。」


投げやりに放った言葉は空に消えていく。二人はまた同時に溜息をついた。同時、というのが気に食わなかったのか、お互いムッとする。その様子からして、二人共少しは調子を取り戻したらしい。


銀「つーかさ、仕事しなくていいの多串君。」

土「誰が多串君だ。」

銀「たくよー、お前らの給料は一体どこから出てると思ってんだよ。警察がこんなんでいいわけ税金泥棒。」

土「しょっぴかれてぇのか！テメェみたいなろくに仕事もしねぇで社員に給料も払ってねぇ奴に言われたかねぇんだよ！」

銀「勘違いしないで頂きたい。僕は仕事をしないんじゃなくて、仕事がないだけだ！」

土「何でそんな胸張って言えんの！？」



いつも通り言い合いを始めた二人。だがすぐにそれは終わり、二人は同時に重い腰をベンチから上げた。行動のタイミングが常々かぶるこの二人は、果たして仲が良いのやら悪いのやら。だがそんな疑問を二人にぶつけると、間違いなく同時に「良くない」と帰って来るだろう。否、説得力は皆無である。


二人は並んで公園を出ると、特に挨拶は交わさず、お互い逆方向に歩いて行く。一人は仕事に。一人はパチンコにと、全く違う目的で歩き始めていた二人だが、この時、ある共通点が生まれていた。


共通点とは、二人はこの時、今のこの事態を全く理解できていなかった、ということである。

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