第196訓 ドラマはいつ生まれるかわからない ページ23
山崎side
銀「君が、ハンコ・オッキィ君かな?」
ハ『あ?だから何だよ。』
銀「私は君のお母さんと同じ職場で働いている者なんだがね…」
申し訳ないけどおばあさんには帰ってもらった。中々帰ろうとしないおばあさんにきちんと入れ歯を付けてあげて、何とか帰ってもらった。
そしておばあさんに帰ってもらった今、実行中の「作戦3」。ドSコンビの提案だった。その作戦内容とは…
銀「昼間働いてる途中、君のお母さんが、倒れた。」
ハ『お、おふくろが…。』
母親が倒れたのをきっかけに更生させる、というものだった。どんな作戦にも乗ってくれるこの妖怪は最早根はいい子なのではないかと思ってしまう。
ハ『おふくろ!』
そう叫んで病室の扉を開けるハンコ・オッキィ。あれ?俺いつからナレーター?つーか何でこんな完璧なスタジオ用意されてんの?という俺の疑問に答えてくれる人はいないので、ナレーターを大人しく続けよう。
ハ『おふくろ!おふくろォォ!』
ベッドの上に横になって呼吸器をつけている近藤局ちょ…じゃなくて、おふくろさんの手を握る。どんなに大きな声で呼んでも、おふくろさんは返事どころか、目も開けない。
土「過労だな、こりゃ。しばらくしたら目ェ覚ますが、あんまおふくろさんに迷惑かけんじゃねぇよ。」
ハ『…はい。』
なんだかんだ言ってノリノリでこの茶番に医者として参加している副長を尻目に、俺はナレーターを続ける。
沖「お前、最近バイト始めたんだって?」
ハ『ああ。おふくろが倒れちまったからな。』
沖「ふぅん。俺らのチームも抜けるのかィ?」
ハ『ああ、そのつもりだ。』
沖「別に止めはしねぇが、ボスが許してくれるとでも思ってんのかィ?俺達のチームに入る条件は、「絶対にチームを抜けないこと」だったはずだぜ。」
ハ『…分かってるさ。だけど俺は、おふくろのために、おふくろに親孝行するために、真っ当な人間になるって決めたんだ。だからそのために、まずは全ての悪事から足を洗う。』
沖「…好きにしろィ。」
それからハンコ・オッキィは、一生懸命バイトをし、一生懸命勉強もした。おふくろさんに親孝行をするというよりは、謝りたいという思いの方が強かった。今まで迷惑をかけて、沢山心配させて、「ごめんなさい」という一言を、ちゃんとおふくろさんの顔を見て言えるように、真っ当な人間になろうと奮闘した。
第197訓 おふくろさんは大事にしとけ→←第195訓 年をとってもノリの良さだけは捨てるな
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パーピー - 凄い面白いです‼︎葵ちゃんが女の子の日とか見てみたいです‼️ (2022年3月14日 1時) (レス) @page2 id: f9a1a17fc3 (このIDを非表示/違反報告)
パピポ - 面白かったです!!何でこんなに面白いのが書けるのか、、、凄いですね!!これからも応援してます!!! (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8120e490b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 初さん» コメントありがとうございます!真選組一家は私も好きで、続編書きたいなと思っておりました!ぜひ書かせていただきます!!! (2018年1月21日 14時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
初 - いつも面白い!真選組一家面白い!続編書いてくれると光栄です! (2018年1月19日 10時) (レス) id: d264f6d83a (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 闇の幼馴染みさん» (・・?)すみませんが、どの長谷川さんの話でしょうか? (2017年9月25日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナ | 作成日時:2017年7月9日 23時