第176訓 時間感覚は人それぞれ ページ3
沖田side
今日は珍しく早く起きた。と言っても、俺にとっての「早く」は土方が余裕で怒鳴りつけて来る時間だが。まあ朝と言っちゃ朝なので、俺は早起きをしたということでいいだろう。
腹が減ったので、取り敢えず食堂に行くために廊下を歩く。途中で葵の部屋の前を通りかかるので、もし寝ていたら起こしてやろう。もちろん普通の起こし方ではない。
どうやって起こしてやろうか頭の中で案を練っていると、前方から近藤さんと土方が歩いて来る。なぜか近藤さんは土方の後ろで縮こまっている。土方も少しソワソワしているようで気持ち悪ィ。
声をかけようとすると、二人は数メートル先にある葵の部屋の前で止まった。
沖「おはようございやす。何やってんですかィ？」
近「総悟！」
土「おい、いつも起床時間にきちんと起きろってあれほど…」
沖「それで、葵に用でも？」
土「無視すんじゃねぇ！」
.
沖「で、単なる反抗期なのか、近藤さんを嫌いになったのか確かめるために、土方さんが？」
土「ああ。」
なるほど。確かにあいつ、最近荒れてたしな。近藤さんもとうとう耐えきれないほどのダメージを食らったってわけかィ。そうとなっちゃ近藤さんのハートはもうボロボロだろう。
近「トシ、頼む。」
土「あ、ああ。」
土方は、少し緊張気味に襖に手をかける。ゴクっと唾を飲み、額に汗を垂らしながら部屋の中にいるであろう人物の名前を呼び、襖を開けた。
土「入るぞってどわぁぁぁぁぁぁああ！？」
土方が襖を開けた途端中からもの凄い速さで飛んできたのは目覚まし時計。土方はギリギリのところで避ける。避けんじゃねーよ。
土「何すんだ危ないだろうが！」
「返事もしてないのに開けないでもらえます。」
土「いつもそんなの気にしてねぇだろうが！」
「年頃の女の子の部屋に返事も待たず入って来るなんて、常識外れも甚しいですよ土方さん。」
土「…いや、あの、悪かっ」
「いつまでいる気ですか出てって貰えます。」
そう言って葵は襖をスパァァン！と閉めた。
近「ト、トシ…」
土「………。」
俯いて黙っている土方を押し退け、今度は俺が襖を開ける。
「だから勝手にっ…って、総悟。どしたの？」
どうやら俺への対応は普通らしい。何か用かと聞いて来るそいつに、朝食は食べたのかと聞くと、まだだと答える。俺も今から行くところなので来い、と言うと、大人しくついて来た。
近「トシ、泣いてもいいんだぞ。」
土「………。」
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パーピー - 凄い面白いです‼︎葵ちゃんが女の子の日とか見てみたいです‼️ (2022年3月14日 1時) (
レス) @page2 id: f9a1a17fc3 (このIDを非表示/違反報告)
パピポ - 面白かったです！！何でこんなに面白いのが書けるのか、、、凄いですね！！これからも応援してます！！！ (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8120e490b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 初さん» コメントありがとうございます！真選組一家は私も好きで、続編書きたいなと思っておりました！ぜひ書かせていただきます！！！ (2018年1月21日 14時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
初 - いつも面白い！真選組一家面白い！続編書いてくれると光栄です！ (2018年1月19日 10時) (レス) id: d264f6d83a (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 闇の幼馴染みさん» (・・?)すみませんが、どの長谷川さんの話でしょうか？ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナ | 作成日時：2017年7月9日 23時
