『クラピカ逆トリしてこないかなー…』『俺はイルミが良いなー』クラ「…此処は何処だ？」イル「……君達、誰？」『『えええええ！！？』』

21話　 男勝りガールの、嫉妬。 ページ21

琥珀とイルミの話を、ドアの向こう側でクラピカと聞いていた。

「ッ……行こう、クラピカ」

「だが、いいのか？…誤解を解かなくて」

きっと、今の琥珀は聞いてくれない。
ジクジクした痛みが胸に広がる。

「…っ、いまは、邪魔だろ？」

頬に水に似た涙が流れた気がした。

クラピカも察したのか、俺たちは部屋に戻った。

散らかった漫画を棚に片付ける。
その間、ずっと涙が止まらなかった。

悔しいとか、訳わかんねぇジクジクした痛みとか、色んな感情がごちゃ混ぜになって＿＿＿＿

「も、ダメだ…………」

見えないよ、前が。
床にうずくまって吐き出すように泣いた。

クラピカが俺の背中に手を置いてさすってくれたけど、俺はクラピカじゃなくて……

「ッ…るみ、イルミッ…」

「私で済まない。今は泣くといい…」

違う、違うんだ。
俺は、誤解を解けない自分が悔しいんだ。

「……ごめっ、ゴメン、クラピカぁぁぁッ!!」

「……ナナ」

漫画を投げ出してクラピカにすがる。
優しい、優しい匂いがした。

「おれっ、悔しくて、苦しくて……どうしたらいい？…っクラピカ、ゴメン。ゴメンな…」

「大丈夫、ナナ。泣いていいよ」

クラピカの声が優しくて、詰まってた想いが涙になって流れた。

知らなかった。

この気持ちは、”嫉妬”。

モヤモヤもキリキリもジクジクも、全部”嫉妬”だったんだ＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿

22話　乙女チックガールで、就寝。→←20話　乙女チックガールで、泣き虫。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す