『クラピカ逆トリしてこないかなー…』『俺はイルミが良いなー』クラ「…此処は何処だ？」イル「……君達、誰？」『『えええええ！！？』』

27話　 男勝りガールは、曇天。 ページ27

何もかもが煮え切らない気分。
机に伏せて、額を机にあてる。

『……はぁ』

ため息を空にこぼすと、背後に気配を感じる。

「おーはよっ、ナナ！」

『のわっ!?』

いきなり背中が重くなり、顔をあげられなくなった。
犯人は大方わかっている。

『……おーはよ、颯斗……』

同じクラスの東颯斗。
同じ剣道部のエースだ。

「元気ないな、ほら、笑顔で、おーはよっ！」

『どこのスローガンだよ！馬鹿ッ、頭ッ!!』

そんな風ににぎやかに騒いでいたら、教室に琥珀と和臣が入ってきた。

琥珀の手には、手紙が握られている。


「あ、琥珀ちゃん、おーはよっ！」

『おはよう、颯斗くん……』

颯斗の声を無視して再び机に顔を伏せる。

教室に琥珀、颯斗、和臣の騒ぐ声が

みんなの声が木霊する。


イライラする………

「この手紙の字、四組の奴じゃね？」

『え？そうかなぁ』

琥珀の作り笑顔。
颯斗と和臣の顔。

わかってるのに、俺だけ悩んで＿＿＿


『バッカみてぇ…((ﾎﾞｿｯ』


目頭が熱くなるよ。

「おい、ナナ！ちょっと…」

和臣の声を遮るように立ち上がって叫んだ。


『よく…笑えるよな!!!!俺だけ悩んで、バッカみてぇじゃねぇか！』

珍しく声を荒げる俺に、教室が静寂に包まれる。

驚いた琥珀の顔が焼き付く。

『………ははッ、俺、今日は帰るわ。担任によろしく』

鞄を掴みとり、教室を飛び出す。

やってしまった。


『もう、何なんだよ』



廊下を走り抜ける俺は、限りなく馬鹿だな。




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