『クラピカ逆トリしてこないかなー…』『俺はイルミが良いなー』クラ「…此処は何処だ？」イル「……君達、誰？」『『えええええ！！？』』 (ページ17)

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17話　男勝りガールで、交代。ページ17

お風呂から出て、リビングへ向かうと三人がいた。

……あー、イルミの目を見れない。

「あのさ、アイスってあったっけ？」

貼り付けたような笑顔を三人に向ける。
琥珀は、きょとんとすると冷蔵庫を指さしながら首をかしげた。

「昨日のアイスが残ってるよ？」

「あぁ、そう？ありがとな」

冷蔵庫への道に立っているイルミを避けつつ、アイスを取ると早足にリビングを出た。
廊下に響く自分の足音が、なんだか単調に聞こえる。

「……わかんねぇよ、俺なんかにさ」

髪から落ちた雫が頬を伝わる。

冷たい水が、涙みたいだなぁ。

『天然すぎてドン引きしそう』

ぐるぐるぐるぐる。
アニメの世界で見てた人が、いきなり俺の前に現れて、訳わかんねぇ。

前の俺だったら、好きだって言えたかもしれねぇ。
でも…楽しそうな琥珀を見てて、なんだか胸がキリキリする。
こう……もどかしいって言うのか？

「訳………わかんねぇよ！」

廊下の壁を殴り、髪の毛をかき揚げると自分の部屋に来た。

あー、もう。
ムシャクシャする………

そう、思っていた時。

「………ナナ、少しいいか？」

「あぁ？…クラピカ？」

俺の部屋の扉を開けたクラピカがそこにいた。
その顔は、なんだか寂しく見えたので俺の部屋に迎え入れた。

「適当に座っていいぜ。汚いけどさ」

「じゃあ、お言葉に甘えて座らせてもらうよ」

クラピカは、ソファーに座ると俺の方を見た。

「…………あのさ、琥珀は…」

「あぁ、イルミと二人でリビングにいる」

クラピカの言葉に胸がまたキリキリとするが、誤魔化すように笑顔を作った。

「二人って、そんなに仲良しだったか？てか、クラピカは何で俺の部屋に？」

「………イルミが、部屋を変えて欲しいと言ってな」

「ッ……へぇ、そうなんだ！」

キリキリとした痛みは、締め付けるような痛みに変わった。

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