【銀魂３Ｚ】好きで惚れたわけじゃない【沖田総悟】

問９ ページ10

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「失礼しましたー……」

後ろ手に戸を閉めると、定期報告を終えた綾戸はため息をつく。

３ｚのチャイム着席率は校内断トツのビリ。衆人環視の中、この情けない結果を報告するのは少々胃が痛んだ。

――――呼びかけもしたんだけどなぁ。チャイム着席どころかサボる人まで居る始末だし。

クラスメイトの沖田や高杉一派の面々を思い浮かべ、とぼとぼと階段を下りる綾戸。暫く下りたところで、ふいに声が聞こえてきた。

「う、して―――――」

――――どうして？

その会話が不穏なものであることを察知すると、綾戸はこの先に居るであろう声の主を想像して立ち止まる。今にも泣きそうな声からして、おそらく右折したところの踊り場で話しているのは、修羅場の真っ最中にある男女なのだろう。

だとすれば、部外者の自分が『あ、ちょっとすいませーん』と二人の横を通り過ぎるのはいかがなものか。悶々と階段の中途で悩む綾戸。

――――ここは空気を読んで遠回りすべきでは？
――――いやでも、北の階段って人気(ひとけ)なくてちょっと怖…いや、言ってる場合じゃないよね。

空気を読んで元来た階段を引き返そうとする綾戸だったが――――

「アイツは関係ねぇよ」

――――よく聞き覚えのある男子の声に、思わず動きを止めてしまった。

――――沖田、くん？

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