問2 ページ3
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「えっと……何コレ」
「今日提出の英語のノートでさァ」
職員室から出てきた坂田は、沖田の前でノートを受け取った体制のまま固まっていた。
「いやいやいや。冗談言っちゃいかんよ、開いたら真っ白で賄賂だけが挟まってるってオチ……」
開くと、字は乱雑なものの板書は全ページ書かれていた。信じられない思いでページをめくり続けていたが、やがて坂田は口を開く。
「…志村(眼鏡)あたりを脅したんだな」
「くどいですぜ銀八。綾戸、居るでしょう」
「ああ。なるほどねぇ」
納得したように呟く坂田。それから口元をにやりと歪め、沖田の肩を小突く。
「しっかし綾戸と関わってから、お前も随分変わったよなぁ。サボりも減ったし。いっそお隣に越して毎朝起こしてもらえばいいんじゃねぇの?」
「よしてくだせェ。アレとの幼馴染デイズなんて考えたくもねぇや」
「あのなぁ、お前ってアイツの何がそんなに気にくわねぇの?」
立ち去りかけていた沖田は足を止めると、わずかに振り向いて言った。
「…別に。全部でさァ」
それだけ言って遠ざかっていく背中を見つめながら、坂田はため息を吐いた。
「…濁しやがったな。アイツ」
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キサク(プロフ) - stereogirlさん» stereogirlさん、またお会いできて光栄です!苦心しましたが、喜んで頂けたならよかった!綾戸は元々ちょっと面倒臭い子ですので、付き合って初めて発覚する一面ですね(笑)私も、この二人はまたいつか書けたらいいなぁと思っています。ご愛読ありがとうございました! (2020年5月18日 20時) (レス) id: 8572571c50 (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - わーい、後日談ありがとうございます!一致後の夢主、ちょっと可愛くなりましたね!笑。また二人の進路にお会いできたら嬉しいです。 (2020年5月18日 20時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
キサク(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます!そうですね、まだ六個程話の空き枠があるので、是非書いてみようと思います!少しでも面白いと思って頂けたなら幸いです、改めてありがとうございました! (2020年5月7日 7時) (レス) id: 8572571c50 (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 面白かったです!可能なら、利害が一致した二人の今後も読みたいなぁ、と思います! (2020年5月7日 2時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キリコ | 作成日時:2020年3月31日 12時