私はもう必要ないんだ

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高「ここが結婚式場か」

弥衣「そうだよ」

高「なんか、中は思ったより落ち着いてるんだな」

弥衣「やっぱり分かる？」

高「あぁ、落ち着いてる中に華やかさがある。俺はこういう感じの好きだわ」

弥衣「内装は俺のセンスだからそう言ってもらえると嬉しいな」

シンプル過ぎるのも駄目だし、だからって派手すぎるのもなぁ

そう思いながら家具とか選んだから

てか、自分のセンスだから余計に心配だったんだよね

弥衣「もう結婚式始まってるよな」

高「だろうな」

じゃあ、控え室に行っても母さんには会えないわけだ

弥衣「会場ここ」

高「なんか入るのも勇気いるんだな」

弥衣「途中からだからね。とりあえず、中に入ろうか」

ガチャッ

ワアッ

弥衣「母さん、綺麗」

高「立ってするんだな」

弥衣「うん。母さんが立ってしたいって言ってたからな。だから家具関係もそれ用にしたんだよ」

再婚相手は嫌いだけど、母さん幸せそう

これなら、母さんを任せても良いかもしれない

まだ信用したわけじゃないけどな

高「今からブーケトスなんだな」

弥衣「うん。ここからでも見えるし、ブーケなんてほしいとも思わないし」

母さん、楽しそうだな

弥衣「和成はブーケ、ほしかった？」

高「いや、俺は見てるだけでいい。それに、もし俺がブーケを取ったとしても弥衣にやるよ。俺も貰っても困るしな」

弥衣「いや、俺も貰っても困るんだけど」

あ、ブーケ降って来た

て、え？

パサッ

弥衣「……取っちゃった」

高「ピンポイントで降って来たな。絶対狙って投げただろ」

母さんを見るとまるで子供のイタズラが成功して喜んだ表情だった

弥衣「母さんってば…」

本当に、やってくれるよね

他にもブーケほしい人はいたかもしれないのに

わざわざ俺に投げなくても良かったのに

弥衣「和成、そろそろ行こうか」

高「え、何でだ？」

弥衣「母さんの化粧直しがあるから、控え室、行くよ」

高「あぁ」

この時、俺は控え室に行く所を誰かに見られてるとは思わなかった

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