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三郎side
いち兄の許可がもらえたから僕は藍子さんを連れてリビングに入った
いろいろ考えすぎて思考回路がごちゃごちゃしてると思ったからシンプルにまとめる手伝いをしたい
藍子さんを連れていく途中で背後で何か言い争いが始まっていたけど僕には関係ない
でも、藍子さんはビクビクしていて…大声が上がる度肩を大きく震わせる
そして…
藍子「私の…せい、だ」
と呟いていた
リビングに着いても藍子さんの震えは止まることはなく、ずっと俯いていた
ずっと「ごめんなさい」を繰り返して、顔色はかなり悪くなっている
三郎「藍子さん、大丈夫ですか?ここに『TDD』のメンバーはいないので大丈夫ですよ」
藍子「あ…ありがとう…」
藍子さんがそう言った直後、玄関でいち兄と碧棺左馬刻との怒鳴り声が聞こえ始めた
少し緊張が解けたはずの藍子さんの顔が一気に強ばった
三郎(そうか。『TDD』が揉めてることが藍子さんにとってトラウマになってるんだ)
藍子「ごめんなさい、ごめんなさい…私のせいで…」
三郎「藍子さん、少し待っててくださいね」
そう藍子さんに言って僕はリビングのドアを開けた
三郎「ちょっと静かにしてもらえませんか?藍子さんがビクビクして話ができないので」
一郎「三郎…?」
左馬刻「あ"ぁ"?てめぇ、誰に向かって…!」
三郎「藍子さんは『TDD』が自分の目の前で揉めることにトラウマを感じています。ケンカする暇があるなら、ちゃんと藍子さんのことも考えてください!」
いち兄と碧棺左馬刻の言い合いに口を出すことなんてなかった
でも、今目の前で藍子さんが苦しんでいる
明るい、優しい、あの笑顔が見たい
かつて僕を助けてくれた時に見せてくれた、あの笑顔が…
僕も貴女を助けたい
三郎「藍子さん、これから『TDD』とどうなりたいですか?」
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年2月13日 17時