Bonbons d'ange【ymar】 (ページ9)

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俺たちは後日、富士の樹海へと向かった。

伊「俺の事嫌いなくせに付いてきちゃった？笑」

山「お前海外とかで激戦区ばっか向かってるっしょ？死なない運とか強そうだし。」

伊「にしても、ブランドもんのスーツって、笑」

山「このあとも仕事戻るから。」

伊「ふーん」

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伊｢ここだね。今日は遠くなかったね。｣

目的のお店は直ぐに見つかった。

看板にはBonbons d'ange à vous envoyer

小さな山小屋のようだ。

いのちゃんは着いた途端すぐさまカメラを取りだし、外観を撮影した。

伊「遭難しなくてよかったー。山田と最期を迎えるなんて、ごめんだよ？」

山「俺も。で、開いてんの？」

伊「お昼だし、開いてると思うけど？」

恐る恐るドアを開いてみた。

山｢あのー、ごめんくださーい｣

？「おはよ……ます…今日は晴れ……よ。たくさん……食べて…さいね…」

山｢おーい｣

伊「ちょっ山田、しっ！なんか聞こえる。」

山｢ん？｣

？「今日のおやつは皆さんの大好きなショートケーキです。」

伊「…お店の裏からかな…聞こえるよね？」

山「確かに。」

俺らはその声のする方へと向かった。

？「どう？美味しくない？」

壁から除くと、

背を向けているからよく分からないけど、膝を抱えてしゃがみこんでいる1人の男性がいた。

隣には数羽の青い鳥。

綺麗…

見たことないくらいな鮮やかな色をしている。

でも、その鳥と目が会った瞬間、飛び立ってしまった。

？「あっ…いっちゃったー。微妙だったかなー、自信作だったんだけどなー。

ういしょっ」

そう言って皿を持って立ち上がる男性。

振り向くと、ビクッとして目をまん丸にした。

？「あ。あ…お客様ですね？直ぐに準備しますので！」

白いワイシャツに腰から下にかけた白いエプロン。

サラサラとした黒髪。

あの目、あの口、あの輪郭、似てる。あいつに。

山「いや。客ではなくて……」

？｢え？｣

山｢お前もしかして…｣

その言葉は一瞬にして遮られた。