夜ふかしさんと。(arcn) ページ1
夜中の12時、大貴が映画を観たいと言い出してソファーに二人並んで洋画のヒーローものを観た。
観終わるころには、もう3時に近くなっていて「んんっ、そろそろ寝るますか」あくび交じりに呟いた大貴は自分の家かのように慣れた様子で僕のベッドルームに向かった。
僕もローテーブルに散らかったお酒の缶やコップをキッチンに置いて大貴の後を追うと、
彼はもう布団の中にいて、二人で寝るには少し狭いベッドの右側に入った。
「大貴、寝ちゃった?」布団に入って5分。
眠れない僕は隣で寝ている彼に声をかけたが、何も返事は返ってこない。なんなの、もう寝ちゃったわけ?大貴のくせに僕を置いて寝るなんて、ありえない。
大貴の寝顔を覗き込むと無防備に寝ていて、うずうずと僕の中のイタズラしたい欲が出てきて鼻をつまんだ。
「…ぶっさいく」クスクスと笑う僕の笑い声だけが響いて、面白くなった僕はよく伸びるほっぺをムニムニと触っていたら、
ガッと手を掴まれ、気が付いたら大貴の腕の中にいた。
「もう何やってんの」耳元から聞こえてくる不機嫌な声にドキドキして、なんだか悔しい。大貴のくせに。
「だって、眠れないんだもん」
子供みたいなことを言っていることは分かっているけれど、でも眠れないんだもん、しょうがないじゃん。
ムッとした顔で僕は大貴の足に挟まっている自分の足の指を使って大貴のふくらはぎをつねると「イッタい!こら、やめなさい」と怒った大貴にさらに抱きしめられて
「っや、ねぇ苦しい…。」
バシバシ背中を叩いて抵抗すると「もうしない?大人しく寝る?」と聞かれたから
「ね、寝るから…、離して」というとフッと僕を抱きしめていた腕の力が緩まって、顔を覗き込まれて
「おやすみ、ちぃ」と言って優しく僕に口づけした。
不意打ちのキスはズルい。
部屋が真っ暗でよかった。じゃなかったら今の僕は驚くくらい真っ赤な顔をしているに違いない。
でも、やられっぱなしは僕の性には合わないから
「おやすみなさい。…大好き。」
今夜もいい夢見れますように。
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菜々香(プロフ) - いのピカるさん» ありがとうございます!記憶の中にお互いを好きだった想いが残っているのが最高だと思い書いちゃいました笑可愛いと言っていただけて嬉しいです!またエピソードが出たらありひか書きたいなぁと思っています(^^)! (2017年1月29日 15時) (レス) id: 492b689a6e (このIDを非表示/違反報告)
いのピカる(プロフ) - ありひかやばかったです!!いたジャンの続きがほんとにこんなんだったらいいなぁぁぁぁ!笑笑ありひかかわいいですね。また書いて欲しいです!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月29日 6時) (レス) id: 0f193f218f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々香 | 作成日時:2017年1月29日 1時