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ここは、何の変哲もない孤児院。

ひとつ変わっているところといえば、嫌われ者の女の子がいることくらいかしら…

先生の私でも近付くのは御免だわ。

紫色の光を通さない不気味な目。ボサボサになった黒髪。

不気味で仕方ないわ。

おまけにあの子は、"言霊"の異能力者だもの。

一言でも異能力を発動されれば私達は皆死んでしまう。

あんな子、もう追い出してしまおうかしら。

あんな子供1人死んでも誰も迷惑しませんし、死んだ方が世間様の為になるわ。

あら、考え事に夢中になってしまっていたわ。

お客様が来てるじゃない。

「言霊の異能を持つ少女がいると聞いて、引き取りたいのですが。」

あら、ちょうど良いところに、あんな子供を欲しがるなんてきっとこの人も可笑しいのかしら。

いいえ、あんな化け物は兎に角、お客様に失礼ね

引き取ってくれるのなら好都合、いらない子だから勝手に貰って言って良いわよ。

あんな不気味な顔、もう見たくないわ。

その化け物を連れてはやく行って頂戴な。

はぁ。やっと化け物に怯える生活から抜け出せる…



何かが吹き出るような音がした。

世界が傾いていく、いいえ、傾いているのは、私?

吹き出ていたのは私の血だった。

何かをする術なんてなく、私は地面に吸い寄せられる。

私、死ぬのか。

嗚呼、こんな事になるならあの子なんて拾わなければ良かった。

あの子さえ居なければ、

あの子さえ、この世に存在しなければ、


貴方は存在してはいけない化け物よ。

どうせ私は死んでしまうもの。

貴方を一生恨むわ


ぐしゃりという鈍い音がした気がした。

「貴方にもう用はありません。貴方の存在がこの子の教育に悪影響ですから、死んでもらいますね。

嗚呼、もう死んでますから、聞こえませんね。」

何の変哲もない孤児院から湧き上がる炎。
人々の叫び声。子供の泣き喚く声。

1人の笑い声。

「さっきの言葉は訂正します。貴方もですが、この孤児院にも用はありませんし、教育に悪影響です。気に入らないものは消した方が早いでしょう?」



『速報です。ホオズキ孤児院が原因不明の火事で、全焼。死者行方不明者はまだわかっていません。』


何の変哲もない孤児院。

日常は変わるのは何時も一瞬で、些細なことから。

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シロクロ(プロフ) - 他のパターンもあったらぜひ見たいです!! (2021年9月16日 17時) (レス) id: e7729c81d6 (このIDを非表示/違反報告)
シロクロ(プロフ) - バッドエンドめっちゃ好きです! (2021年9月16日 17時) (レス) id: e7729c81d6 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです……更新楽しみにしております!! (2021年9月15日 6時) (レス) id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - お気に入り10評価当たり前ですけど入れました!!最高ですか??愚問でしたね((続きを楽しみにしております! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクシャ | 作成日時:2021年9月13日 21時

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