40本目 ページ41
、
店を出て隣を並ぶ彼の手には紙袋が一つ増えた。
私は1着,西田くんは2着服を購入した。
満足そうな西田くんと会話をしながら駅へ向かう。
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ぶわっと強い風が吹いた。
きゅっと目を瞑り,隣の西田くんは「風つよっ」と呟く。
一瞬の強風が終われば,案の定前髪は崩れたような感覚がした。
「…前髪崩れた」
そう呟き,前髪を直そうとすると,隣にいた西田くんが目の前に来て私の顔の高さに合わせて小さく屈んだ。
両手に持っていた紙袋をすべて右手に持ち替え,空いた左手で私の前髪を触った。
急な出来事に再びきゅっと目を瞑る。
前髪が元に戻っていく感覚と同時に,時々おでこに触れる西田くんの温かな指。
さらさらした指にどきどきしながら,おでこにその感覚がなくなるとゆっくり目を開けた。
目を開ければ中腰になっている西田くんとばっちり目が合う。
思ったより近い距離にどきりと心臓が跳ねた。
西田くんは私と目が合うと微笑み,
「…かーわい」
と呟く。
そして前を向き「行こ」と足を進めた。
急な出来事に,驚きは勿論そういう意味でもドキドキした心臓を落ち着かせながら彼の背中に着いて行く。
先ほど''男の人''と再認識したばっかりに,少し意識してしまった自分が悔しい。
少しだけ自身の体温より熱く感じる頬を春風で冷やしながら彼の隣に並んだ。
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、
予定よりホテルに早く着いた私たち。
彼はまだ自主練できそうだからと体育館へ戻るつもりらしいが,私がもう新幹線に乗るというと途中まで見送ってくれるそうで。
「今日はありがとう。次会えるのは4月の合宿だっけ」
「うん。でもインタビューとかあればもっと前に会えるかもね」
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ロビーに着いた西田くんは立ち止まり何かを考えているような表情をして口を閉じた。
体調でも悪いのかと,顔を覗き込む。
彼と目があえば,彼は私にやさしく微笑んだ。
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「………次一緒にプレーするときさ、」
「うん?」
「絶対野目ちゃんのサーブ拾うし,スパイクもブロックする」
「うん」と頷くけど,彼が何を言いたいのかわからず首を傾げる。
すると彼は笑ってこう言う。
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「……俺も強くなるから野目ちゃんも,もっと強くなって」
私を見る彼の目は普段とは違い何処か私を見透かしているような気がした。
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雪 - 43ページ42本目文章おかしいです (2019年11月17日 20時) (
レス) id: e28ee6ef13 (このIDを非表示/違反報告)
21子(プロフ) - 更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: fe40dbd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月13日 16時) (レス) id: 46e4a96814 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 更新ばり楽しみです (2019年11月7日 23時) (レス) id: 5c2b6ff2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - コメント2回目です笑夢主のバレーがどう成長していくけ楽しみです！落ちも楽しみです…笑更新頑張ってください！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f4ce4e8e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海獅子
| 作成日時：2019年11月4日 17時
