その15 ページ18
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「こちら、コーヒーとオレンジジュースとサンドウィッチになります。」
不機嫌な声、反面貼り付けた笑顔でそう言った。
沖矢は叩かれた手をさすりながら「ありがとうございます。」と言った。
「客の手叩くとか最悪ですね。」
「店内でイチャイチャされるのは他のお客様に迷惑なので。」
ムカつく。
あんただって、女子高生とイチャイチャしてるじゃん。
しかも不特定多数。
もう話したくもない。
そう思った私はそっぽを向いてジュースを飲んだ。
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「それ食べたら早く帰れ。邪魔だ。」
私の耳元、小声で降谷がそう言った。
ガタンっ
飲みきったグラスを強く机に置く。
邪魔?
彼女に向かってそれ何?
別に朝ごはん食べに来たもんだと思えば普通の行動。
私があんたを見に来たとでも思ってるの?
ああ、イライラする。
一刻も早くこの場から立ち去りたい。
先に財布からお金を多めに出して、
沖矢に突き出すよに渡して持たせた。
そのままサンドウィッチを飲み込む。
わずか10秒。
そのままカバンを持って立ち上がり降谷を睨みつける。
・
「邪魔とか最低。もうあんたと喋りたくない。」
ごちそうさまもありがとうもなしに店を飛び出した。
お会計は沖矢がやってくれるだろう。
私はそうして雨が降りそうな雲の下をひたすら走った。
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・
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「っ」
走って去って行った彼女を唖然と見ていた俺。
沖矢がため息をついた。
・
あいつが前言ったように俺には余裕がある。
……そんな訳ない。
いつも余裕なんてない。
朝起きる眠そうなアイツ。
潜入捜査が成功してご機嫌なアイツ。
俺の下で顔を赤くして俺を見上げるアイツ。
余裕な訳ないんだ。
好きで好きでたまらない。
だからこそ醜い嫉妬にイライラして、本人に当たってしまうのだ。
その余裕のなさを隠すように。
コト
沖矢がコーヒーカップを机に置いた。
「今のは貴方が100%悪い訳ではありませんよ。」
赤井に励まされているようで沖矢をキッと睨む。
「貴方達が愛し合っているのは一目でわかります。
だからこそ、一度自分の気持ちを言ってみるべきですよ。」
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ふゆーれい(プロフ) - ヤ るとかの意味調べたら「おっふ…」ってなったww←中1女子 (2022年7月27日 18時) (レス) id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
恋 - 「その11」でポアロに行ったことないという描写がありましたが、物語冒頭でポアロに行ってませんでしたっけ? (2021年12月22日 3時) (レス) @page14 id: 9b11383033 (このIDを非表示/違反報告)
シェラ - 失礼します。公安部は警視庁ではなく警察庁ですよ〜 (2021年6月9日 18時) (レス) id: 55904390b6 (このIDを非表示/違反報告)
可愛いい予感 - 頑張れ (2020年1月13日 21時) (レス) id: e81acf9075 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - クッションにあったソファ投げつけるんですか笑笑 (2019年10月13日 21時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
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