喧嘩ばかりの彼を嫉妬させたい。２【安室透/降谷零】

その５１ ページ5

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―――「頭の方は問題ないでしょう。



右手の方は思ったよりも軽そうなので全治２週間といったところですね。」









医師にそう告げられた。




包帯を巻かれた頭は,言われた通り何の痛みもない。





問題なのは……。







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「…ほら口を開けろ。」








右手だ。




軽くても骨 折は骨 折。





利き手の右手が使えないのでは２週間,前のような生活は出来ないのだ。







そこで目の前の降 谷は,「俺が介護してやる」と申し出たのだ。









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「……」









「口を開けろと言ってるだろ？それとも照れてるのか？」





「てっ、照れてない！！」







熱くなった顔を隠すために彼から目を逸らした。





潜入先でそういう行動はお手の物だからか,彼はそういう事に躊 躇がない。








勿論こちらは,大問題。




体制なんてついておらず,心臓が壊れそうだ。






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「…ほら、」






「……あ。」





しぶしぶ口を開けると,スプーンに乗った病食が口に入る。






もぐもぐと口を動かすと,目の前で穴が開くぐらい降 谷に見つめられる。









「…なに。」





「…いや,別に。」








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何とかご飯を食べ終える。





降 谷は何故か目の前でジャケットを脱ぎ始めた。









「え、なにしてんの」




「お前風呂入ってないから,入れてやろうと思って。」









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顔に熱が集中する。




風呂に入れてやるって…一緒に入るという事なのだろうか…？






私は仮にも女だ。




彼氏であるコイツに入れてもらうのは……









「っ無理！！」









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「…(もぐもぐしてるコイツ、可愛かったな。)」








退院するまで抱 けない辛さを我慢する降谷が,



そんなことを思ってたなんて知らずに。

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