2人で見上げた星空 ページ45
あれから15日後...
炭治郎は屋根の大棟に腰掛け、瞑想を行なっていた。
以前よりも体力は向上している気はするし、肺も強くなってきている気がしたから、多分、前進はしていると思う。
けれど、未だに常に全集中の呼吸を行う事は出来ていない。
最近は、すみちゃん達のサポートも得つつ鍛錬している。A姉さんも一緒にどうかと誘ったけれど、断られた。
これは、自分と一緒にやりたくないという意味なのだろうかと、内心炭治郎はショックを受けていたのだ。
彼女の事となると、マイナス思考になってしまって、駄目だ...。
ーあぁーっしっかりしろ炭治郎!ー
パンと頬を叩いて己を
すみちゃん達と共にいる時は、A姉さんはあまり姿を現さない。
少し余所余所しくて、匂いもなんだか..極力関わりたくないといっているように仄かな拒絶も感じられる。
あまりに堪えた為、善逸に相談を持ちかけた夜もあったが、お前本当女心がわからないやつだなぁと怒られた。
「炭治郎、それさ..多分嫉妬されてるんじゃね?」
嫉妬?
他の女の子達と一緒に楽しくしてたら、そりゃいくら家族でも気を悪くさせるのは当たり前だと言う。
「本人に聞いたわけじゃないからわかんないけどな。Aさんはお前を取られたような気分になってるんだよきっと。」
....
それはもしかして
いや..A姉さんに限って、それは
そうだったら、いいのになぁ...
炭治郎は、そんな淡い期待を抱いてしまったのだ。
もどかしい思いを抱えながら、炭治郎は再度呼吸を意識して息を吸い込んだ、その時。
「こんな所にいたんだね炭治郎。」
反射的に横を向くと、A姉さんが佇んでいた。
瞑想をして集中していたからか、彼女の匂いに気付かなかったのだ。
つい先程まで、彼女の事を考えていたから、心の臓が飛び出るくらい驚いた。
そんな炭治郎の様子に笑いながら、A姉さんは隣に腰を下ろした。
なんだか、久々に心からの笑顔を見たような、そんな気がする。
空を見上げると、雲ひとつない夜空をキャンパスに、いつの日か見たような満天の星空が広がっていた。
気付かなかった..今日はこんなに星が綺麗だったのか。なんだか物凄く懐かしい気分になってしまう...
横目に彼女を見ると、やはり何かを懐かしむような眼差しで同じように見上げている。
2人きりで星を見たあの日の夜が蘇る。
まるで砂時計が巻き戻るように
幸せな...時間だ
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時