鬼と人と ページ42
「Aさん、貴女が目覚める前、炭治郎君に聞いたんです。十二鬼月戦で一体何があったのか。
したらば、貴女の巫の異能で、髪の毛と日輪刀の色が変化したのだそうですね?それは、あなた自身が操作出来るものですか?」
そう聞かれたAは、首を横に振る。
「いいえ。意図的に出来た事はありません。
あの時が、私も初めてです。物凄く体温が熱くなって、でも不思議と倦怠感とかは感じられなかった。」
「そうですか..。他に、何か引き金となる出来事などありませんでしたか?」
「..いや、特には...
ぁ..そう言えば、脳内に女性の声が聞こえました。身体に症状が出たのはその直後です。」
昔から、時折夢に出てきたある女性がいた。
声を聞いた事はなかったけれど、何となく、その夢の中の彼女なのではないかと思うのだ。
それこそ、ただの夢かも知れないけれど...
ふむとしのぶは考え込む。
「実はですね、単刀直入に言いますと、あなたにその症状が現れた時の血液を採取したいんです。巫の異能については我々鬼殺隊にとっても未知なので、研究を進める必要があります。」
彼女は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ呟いた。
「私は私のやり方で...巫一族の事を調べてみようと思ってます。それがゆくゆくは我々人間の勝利へと繋がる。今確認されてるのは鬼の血鬼術を中和させる効果のみですね。他にも何か活かせる効果がないか、調べてみましょう」
「...わかりました」
血を提供したのはこれで二回目だ。
けれど一回目は珠世さんへ。鬼殺隊が彼女の存在を知っているのかはわからないし、下手に鬼の情報を曝け出すのもいけないと思い、Aは黙っておいた。
「..何か?」
「あ!いえ!なんでもありません..」
彼女は、訝しげに首を傾げたが、そのまま自分の作業へと戻った。
「禰󠄀豆子さんのような鬼がいる事に、正直今でも驚きは隠せません。人を襲わない鬼なんて、そんな幻想あるわけがないと思ってました。でもね...信じたい気持ちも、あるにはあるんです。」
あぁ..この人もまた...何か後悔の念を抱えて生きているのだろう。
きっと、私達竈門家と同じで
結局その日、例の血を採取するには、
巫の異能の発動条件を明確にして、コントロールする他ないと言うことで、Aは帰された。
自分の血が役に立てるならば
それ程光栄な事はない
私も、頑張らなければ
Aはそう決意を固くした。
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時