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呑まれる ページ38

彼女から恋人同士である事を公表しようかと提案された炭治郎は、自分の不甲斐無さに激しく自己嫌悪しつつも、これで救われると安堵した。
これで、堂々とAさんの肩を抱いて歩ける...。


「ごめんな。でもAさん...隊士達に物凄く人気なんだ。彼女にしたいって人もたくさんいる。嫌だよ、俺..せっかく貴女と恋仲になれたんだ。他の人の所になんか行かせないからな」

「っ!」


炭治郎はぐぐっとAの体を押し倒し、上から覆い被さりながらぎゅうぎゅうと華奢な彼女の体を抱き締める。ちょっとやそっとじゃ抜け出せないような体制から、彼の独占欲の強さが見て取れた。
普通なら、愛が重いとか束縛が鬱陶しいとか、そんな事を思うのかもしれない。
しかしAは、そういった感情とは正反対の気持ちが芽生える。


ーこんなにも求めてくれる彼が、可愛らしくて..愛おしいー


「ねぇ炭治郎、私が好きなのは貴方だけだよ。他の人はただの仲間。大好きなのは貴方ただ一人。だからあまり不安にならないでよ。私の気持ち、もしかしてあんまり伝わってないかな?さっきの口吸いじゃ、物足りない?」


とんとんと彼の背中を叩くと、炭治郎は埋めていた顔をゆっくりと上げていった。切なそうに眉を寄せてはいたが、それは悲しみや辛さからではないようでAはほっとする。
ただ代わりに、前に体を重ねた時のような、切羽詰まった情欲の色が滲み出ていた。
酒を飲み酔っているせいなのか、触れたそうにしきりにうずうずしていた。


「...ちゃんと伝わってるよ、大丈夫だ。ただ...口吸いはちょっと物足りない。今度は俺がしたい。」


互いに誘うような眼差しを交わし合い、その距離は縮まっていった。彼の唇を受け入れると、すぐにぬるりと熱い舌が入り込んでくる。ほんのりアルコールの匂いが鼻を抜けていった。


「は...っ..お酒の匂い」

「ぁ...うんっ..私もわりと飲んだから」

「知ってる。ずっと見てたから..」

「そうだったの?」

「貴女は俺の事あんまり見てくれてなかったようだけど」

「あー..ごめんてば。そんなつもりじゃなかったの。許して?」

「いいよ..その代わり、もっと触れさせてくれたらな」

「っ..!」


突然乳房に手を添えられ、そのままやわやわと隊服の上から揉まれる。しかし服の感触が邪魔だったのか、彼は手早く上着のボタンを外しにかかる。


「暑いだろう、お酒で火照った体..冷まそうな?」


彼は笑顔でそう語ると彼女の隊服を呆気なくはぎ取った。

囁かな惚気→←制御不可



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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八千代(プロフ) - あいさん» リアルの日常とても辛い思いをされてるのですね..私の作品が少しでもあいさんの普段の楽しみになれたのならこんなに嬉しい事はありません。私こそ暖かいコメントに勇気とモチベを貰えました笑ありがとうございます! (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます(*´-`)何度も読み返してくださってるなんて光栄です!亀更新で本当申し訳ないのですが、私も思い入れのある作品なんで、頑張って書きます!ありがとうございます!冨岡さんの夢は初挑戦ですが星詠み終わったら検討いたしますね(*^^*) (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き→冨岡さん落ちの夢小説も読んでみたいです!あくまで個人的な希望なので無理せず、ご検討よろしくお願いします!私は精神障害で親からの当たりも酷くて毎日死ぬほど辛い状況ですが、このお話を読んで少し元気をもらいました。ありがとうございます! (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんは!このお話とっても面白いですね!既に5回くらい読み返してます!そのくらい好きなお話です!更新を楽しみにしています!これからも、頑張ってください!応援しています!個人的な希望なのですが、このお話が終わったらでもいいので、八千代さんが書いた、 (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 花霞さん» 良かったです(^^)ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年12月7日 18時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月30日 22時

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