虹色の瞳に映して 〜陸〜 ページ44
ー炭治郎sideー
彼女にどこまでを知られ、悟られずに済んだのか分からない。俺の嗅覚の経験から察するに、細かい複雑な心情は、心が読めるわけじゃないから分からないが、
【強い感情】に関しては粗方分類出来る。
例えば怒りの感情、嫉妬や欲望なんかも強い。いずれも人間の本能が色濃く出る感情だ。
ー俺の感情はそれだ、きっとバレてる。少なくとも欲の対象として見ていた事は感付かれてる筈ー
ただ、(舐めたい、美味しそう)そんな
俺の我儘でこの姿を見せてくれたというのに、こんな気まずい空気になって本当に申し訳ない。
本当はどこまで彼女が感じ取ってしまったのか、気になって仕方なかったが、これ以上踏み込んでも墓穴を掘るだけなので諦めた。
知られたものは仕方ない。寧ろ前向きに捉えるなら、一体俺がどれ程彼女の事を想っているのか、これでおおよそ理解してくれた筈だ。
もう開き直るしかないか....
【これで少しは、俺の事を意識して】
なんて期待を掛けてもバチは当たらない筈だ
炭治郎は恐る恐るAを見据えた。
視線が合わさると彼女は明らかに狼狽たが、ここで逸らしたら悪いと思っているのか、懸命に見つめ返して来る。
既に姿なりは、いつもの見慣れたA姉さんに戻っていた。
ー冷静に、冷静に..ー
何とか落ち着きを取り戻し、炭治郎は口を開いた。
「すまない。俺は、貴女の前では
「..!」
「俺!貴女の事がっ..本当に大好きなので!どうしてもこういう気持ちになってしまったりするけど、A姉さんがちゃんと振り向いてくれるまで、内に留めておくから。どうか誤解しないでください。貴女が怖がる事嫌がる事はしたくないんだ。本当だ。」
ありのままの気持ちを伝えると、彼女は更に顔を紅色に染めた。色々と悩んでいたようだが、考えた末にこう述べた。
「貴方の気持ちはよくわかった。炭治郎のそれは..当たり前だと思うよ?お、男の子だし...そういう..っごめん!異性を好きになった事のない私が言えた義理じゃないんだけど..」
指をもじもじさせながら辿々しくそういうA姉さん。あぁ..やっぱり殆ど知られてしまっていたんだ。
うぅ..恥ずかしい、凄くむず痒い。
とにもかくにも、もう巫の異能を使用する事を俺からお願いする事は後にも先にもないだろう。
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ライ - 全然大丈夫です!むしろ八千代さんの書いた星詠みの設定凄く好きなのでその設定にして頂けるとこちらも嬉しいです♪ありがとうございます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
ライ - ありがとうございます!!こちらこそよろしくお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» ただ基本星詠みの番外編とさせていただいてるので、設定はそちらに寄せさせていただきますのでご了承ください。頑張って書きます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» コメントありがとうございます(*´-`)その設定は私としても大好物です笑 是非リクエストに応えさせたいただきたいので宜しくお願いします。 (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ライ - いつも更新楽しみにしています!勝手なのですが、炭治郎がヤンデレで夢主が他の男性と仲良くしているのを見て激しく嫉妬するお話を書いて頂けませんか…?良ければお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月1日 19時