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今日も結局玉森くんにご馳走になっちゃって、端数さえ受け取ってもらえず……。
「…いつもごめんね?」
「なんでAちゃんが謝るの?
俺が出したいだけだからいいの。」
「ご馳走ばかりしてもらってると私から誘いにくくなっちゃうから、次こそは出させて?ね?」
「ふふっ。その気持ちだけで十分だよ。」
玉森くんは優しく笑いながら誤魔化しちゃって、私は
出した財布を虚しくカバンの中にしまった。
「タクシー待ってるから行こっか」
「うん!」
玉森くんとお店を出て、外で待つタクシーまで向かう。
「Aちゃん、乗って!」
「え?私?電車まだあるよ?」
「いいから。送ってく!」
この前も言ったはず。
うちと玉森くん家は方面が微妙に違う。
私を送り届けるよりも直接帰った方が明らかに早い。
「でも……」
そんなやり取りをしてたら、近くのお店から出てきた女性陣が私たちの方を見て何かを話してる気がした。
……やばい。
玉森くん、バレちゃう。
「っ…の、乗ろう…!」
「っ‥!?」
急いで玉森くんをタクシーに押し込んで私も乗り込む。
勢い余って玉森くんの上に乗り上げるように座っちゃって、
「…Aちゃん……?」
「ご、ごごご…ごめんっ…!///」
「ぷっ…はははっ!!」
「っ…/////」
派手に笑われる羽目になっちゃって本当に恥ずかしい。
あぁーもうっ。
私なにやってんの。
マニュアルも答えもない恋愛は本当に苦手。
可愛い女子でいられる方法、誰か教えて…!
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時