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お風呂から出てリビングに戻ると、お腹を空かせた俺に拍車をかけるような匂いが鼻を掠める。
「はい。どうぞ!」
「やった!美味しそう!」
「ふふっ。
玉森くんの好みの味だといいんだけどね?」
椅子に座ると俺の前だけに用意された箸。
ご飯とお味噌汁も俺だけ……。
「…Aちゃんは?」
「あ、私は大丈夫…!
帰りの機内で食べ過ぎちゃったみたいで、あまりお腹空いてないの。」
お腹を触りながら苦笑いしてるけど、それすらも俺には違和感を感じる。
日本に戻ってきたの午後だよね?
こっそり航空会社のアプリをダウンロードして、Aちゃんの便を調べてる俺。
気持ち悪がられたら嫌だからAちゃんには秘密だけど……
ちゃんと着いたかなって検索して確認してる。
午後に着いて、今は22時前。
いくらたくさん食べたとはいえ、本当にお腹空いてないの…?
「私もお風呂入ってくるね。
玉森くんは、ゆっくり食べてて?」
「…うん。わかった。」
やっぱり何か隠してる。
Aちゃん自身は普通に振る舞ってるつもりかもしれないけど、俺にはわかる。
「…ん、うまっ!」
目の前のおかずに箸を伸ばして1人呟く。
俺にとってAちゃんとの出逢いは衝撃的で、今だってまだまだ知らないことがあるけどそれでも好きな気持ちは大きくなる一方で、これから先もAちゃんとずっと一緒にいたいと思ってる。
今までの恋愛は俺のことを好きな相手の気持ちの方が大きくて、なんていうか、嫌われない自信があって……
俺自身、恋愛に対してそんなに積極的なタイプでもないから、それにあぐらかいてた俺がいて、それに愛想尽かされることも多くて。
でも今回は何だろう。
必死な俺がいて、未だにベールに包まれてるAちゃんに戸惑ってるのが正直なところ。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時