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「…いや、やっぱり何でもない。
正直に話してくれてありがとう。」
「………」
坂田さんにしては珍しい。
奥歯に物が挟まったような言い方……。
「ほら、冷めちゃう前に飲んで?」
「…あっ、はい…いただきます…!」
ラテを一口飲むと、頭に浮かぶ玉森くんの顔。
みっくんから誕生日プレゼントにもらったというコーヒーメーカーでいつも淹れてくれる。
“ 将来がある人 ”
坂田さんの言葉が胸に引っかかる。
玉森くんとの将来ー……
正直まだ何も見えてない。
これは付き合ったばかりだからかな。
でも結婚した友達からはよく聞く。
出会った時、付き合ってすぐに、相手との将来が想像できた、と……。
私には見えてこない。
「…ごめんね?
なんか湿っぽくなっちゃったよね。」
「あ、いえ…!違うんです。」
お断りしたのは私なのに、坂田さんに気を遣わせちゃってる。
「Aちゃんが嫌じゃなかったら、このまま友達でいられないかな?
俺にとってAちゃんは人としても憧れなんだ。自分をもってて、向上心もあって、常に前を見てて凄く刺激受けるから。」
「…そんな…憧れられることは何も…!」
「個人的にはまだ諦めるには時間がかかるかもしれないけど…。
いつか仕事のこととか、お互いに相談に乗れる相手になれたらいいなって。どうかな?」
「…そうですね。
いつか、そうなれたら……」
これ以上、私には坂田さんを突き放すことはできなかった。
はっきりと縁を切るべきなのかもしれない。
だけど、あまりに優しすぎるから……
いい人すぎるから……
これが限界だった。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時