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「ごめん、お待たせ!」
「おお、おはよう!」
迎えの車に乗り込むと、後部座席でスマホをいじるミツが一瞬だけ俺に視線を向けた。
「……ん?なんかいい匂いする」
「え?」
「いや、玉が乗ってきたら甘い匂いがした。」
いつもなら「お前犬かよ」ってツッコむところを、心当たりが大アリの俺は動揺を隠すのに必死だった。
「…そう?
朝シャワー浴びたからかな?」
「そっか、だからか!」
それ以上は深堀りしてこないミツにホッと胸を撫で下ろす。
危ねぇー。
Aちゃんが泊まってることがバレるところだった。
ていうか、俺の彼女だから泊めてても悪いことじゃないんだけど。
……俺の彼女。
やばい。思い出したら顔がニヤける。
「…玉?」
「ん?」
「やっぱ何か俺に隠してない?」
「…えっ?隠すって何を?」
「それがわかんないから聞いてんの!」
ミツが良いのは鼻だけじゃなさそうだ。
「別に…隠してないけど……」
「………」
「なんだよ」
「俺のことは味方につけておいた方がいいと思うけどな〜」
意味深なミツの言葉に俺は顔をしかめる。
味方?何の話だよ。
きっとAちゃんのことを勘付いてるミツだから、鎌をかけてるのは俺にもわかってた。
「…何も無いって。」
俺も頑なに言うことを拒む。
いつかはバレるだろうけど、わざわざ報告することでもないし。
何よりミツがAちゃんに何かしらアクションを起こしそうで嫌だった。
言われて困るようなことは何もないけど、変に口滑らせていらない情報を吹き込まれるのも嫌だし。
……って、俺ってこんなに嫉妬深かったっけ?
こんな落ち着きのない恋愛は初めてかもしれない。
会ってる時はこんな感情抱かないのに、離れたらAちゃんがそのまま戻ってこないんじゃないかと不安になってる。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時