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「なんか、今回のA、珍しく消極的な気がする。」



「…え?」



「普段のAの恋愛って、向こうがAを好き好き〜って感じで、それを適当にあしらってる感があったけど。」



「…けど?」



「いつもはもっと堂々としてたっていうか、来られても“あぁーまたか”って感じで……」



「私そんな悪女じゃなくない?」



「えっ、嘘。自覚なし?」



「…え、ほんとに……?」



「玉砕してった男たちの行く末を考えたら切ないわ………アーメン。」








両手の指を組みながら天を拝む麻里奈。





…え、嘘。

そんななの、私。








「まぁ、Aモテるからね。
悪気ないのかもしれないけど。」



「…そんなことはないけど。」



「とりあえず、今回は相手の出方を見てる感じがする!そのテレビ局のね!」



「………」



「A、本当は好きなんでしょ?」



「っ…、ゴホッ…!!」



「……あ、これは私の直感ね。」









口に含んだアイスティーでむせた私。




「んもう…」って言いながら差し出してくれたおしぼり。





CAという仕事で培われた洞察力が恐ろしい。




全部麻里奈の言う通りだと気付かされた。




ずっと自分の中で抱いてたモヤモヤ。




今、全てが解決された気がした。




スーッと胸が軽くなる。









「相手のこと、知るのってどうすればいいのかな?」



「え?」



「私、何も知らないの。もちろん向こうも私のことはCAとしか知らない。
お互いに、表面的な部分しか知らなくて、何が好きとか、休みの日何してるとか、どういう人なのかを全然知らなくて……」



「A、彼氏と別れたのいつだっけ?」



「もう、4年前かな」









その彼氏は同じ大学で同じゼミの人。



こちらから相手を知ろうとしなくても友達だったから自然と知ることができた。



向こうは商社勤務で海外への転勤が決まって結婚の話が出たけど、その時も私には仕事を辞めて彼についていく決断ができなかった。




それからというもの、出会うきっかけが合コンか機内しかないから表面的部分でしか相手を判断できなくて、それ以上深堀りすることもされることも避けてきた。





だから相手を知る術を私は知らない。





恋愛豊富に見られがちだけど、第三者目線では偉そうにアドバイスできるけど、自分のことになるとどうしたらいいのかわからない。



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設定タグ:キスマイ , Kis-My-Ft2 , 玉森裕太   
作品ジャンル:恋愛
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時

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