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………
………
「……えっ?」
Aちゃん、今なんて?
驚きすぎて、急に耳が遠くなった錯覚を覚えて、時間差で反応する。
「っ…、
部屋の前まで送ってくれる…?」
Aちゃんの震えた声に、俺の心臓がバクバク鳴り響いて息が苦しい。
「うん、もちろん…!送るよ!」
急遽、予定を変更。
支払いを済ませて一緒にタクシーを降りる。
「………」
「………」
なんか、急にお互い黙り込んじゃって、目も合わせずマンションのエントランスに入る。
俺も何を意識してんだよ。
部屋の前まで送るだけなのに。
「あ、ちょっと荷物取ってくるね。」
宅配ボックスの方に向かったAちゃんが、大きなスーツケースをゴロゴロ引きながらすぐに戻ってきた。
「え?何その荷物」
「昨日のニューヨークの荷物。
いつもスーツケースは空港から送ってるの!」
「へぇ〜そうなんだ。」
Aちゃんがエレベーターのボタンを押す時に、「持つよ」ってスーツケースの持ち手に手をかける。
「あ、ありがと…!」
ふと視線をスーツケースに向けると送り状が付いてて、そこには付箋で書かれたメッセージがあった。
-‥-‥ -‥-‥ -‥-‥ -‥-‥
いつもお疲れ様です!
ゆっくり休んでくださいね!
-‥-‥ -‥-‥ -‥-‥ -‥-‥
「…なに?これ」
「あ、それ?
いつも宅配の人が付けてくれるの。」
「え?宅配の人が!?」
いや、それ、もはやストーカーじゃなくて?
普通にやばくない?
「親切心なんだろうけどね。」
「いやいやいや。
これはアウトでしょ!」
「でもどこに伝えたらいいかわからないし、たぶんうちの地域の担当だから事を荒立てたくなくて。ここ数ヶ月は放置してるの。」
「数ヶ月も!?
Aちゃん、少しは危機感持とうよ…」
「一応オートロックだし、荷物は基本宅配ボックスに入れてもらうようにしてるから大丈夫だよ!」
ねぇ、Aちゃん自覚ある?
ただでさえ可愛いのに、そんなゆるゆるのガードじゃ、本当に何されるかわからないよ?
……心配だなぁ。本当に。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時