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マンションの鍵だから無くすとマズい。
「…あ、マスター?
さっきはありがとう。
あのさ、個室にキーケース落ちてたりしなかった?
悪いんだけど確認してもらえる?」
電話してる玉森くんに両手を合わせて謝る私。
「……え?あった?ピンク?PRADA?」
すぐに見つけてくれて、マスターの言葉を繰り返しながら私を見る玉森くんに私は縦に首を振って答える。
それ!!私のキーケース!!!
「…あ、その鍵、今から取りに行ってもいい?」
ごめんなさい……。
もうこんな無駄足に付き合わせて、明日玉森くん仕事なのに申し訳ない。
「え?もう閉める?
えっ、ちょっと待って…!
…あ、そっか。それは仕方ない。
…うん。……うん。わかった。
ごめんね。ありがとう。明日また連絡する。」
え?なに?
険しい顔して電話を切った玉森くん。
「…どうだった?」
「キーケースはあったんだけど……」
「うん、それで?取りに行っていいって?」
「マスターの奥さんが体調崩して子供の世話で急遽お店閉めて帰るって。」
「えっ?」
「明日また取りに来てほしいって。」
鍵がない=入れない
「……どうしよ。
管理会社に電話したら入れるのかな?」
「管理会社って24時間なの?」
……えっ、違うの?
こんなこと初めてでわからない。
「あ、とりあえず、私降りて自分でどうにかするから。玉森くんは帰って?」
「え!?」
「ごめんね。遅くまでありがとう。」
「電話番号わかるの?」
「うん、調べれば……っ、!?」
カバンからスマホを出して愕然とする。
「…待って。
充電あと7%しかない。(泣)」
……なんで。
ツイてないにも程がある。
あまりの運の悪さにさすがの玉森くんも苦笑い。
「じゃあ、俺も一緒に降りるよ!」
「えっ!!それはいいよ…!
本当に!明日仕事だから帰って?ね?」
「ここに1人だけ置いて帰れるわけないよ!」
「大丈夫!
駅に行けばネットカフェもあるし!」
「無理無理!それはまじで無理!」
「でも何時になるかわからないし。
明日仕事でしょ?早く休まないと……」
「………」
口元に手を当てて考え込む玉森くん。
早く帰らせてあげたいから、こうしてる時間すらもったいない。
こんなヘマした私。
もう迷惑極まりない。
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にかみつば(プロフ) - たまたま見つけて読ませてもらってます☺️北山くんが来てなんだか楽しい展開になってきて続き読むのが楽しみです🥰 (6月27日 1時) (レス) @page30 id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - りょうこさん» 初めまして!コメントありがとうございます!どうやら私の設定の問題でしたね…ご指摘感謝です!変更したので引き続きよろしくお願い致します(^^) (2021年6月28日 12時) (レス) id: 60f3e03fcf (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しく拝読しています!機能のせいなのか、更新されたストーリー番号の横に【NEW】が表示されるといいなーって密かに願ってます。 (2021年6月28日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月21日 14時