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「…そろそろ帰ろっか?
玉森くん、明日仕事だし。」
「Aちゃん、親知らず抜くしね(笑)」
「んもう…言わないでよ〜。」
人見知りの玉森くんと、この時間でだいぶ打ち解けられた気がする。
席に来た店員さんに渡された伝票に玉森くんがカードを挟んで一緒に返す。
「…あ、私も払う!」
「いや、いいよ。」
「え?なんで?私も結構飲んだし」
「いいから!」
出した財布を抱えたまま玉森くんを見る。
これが他の人なら奢ってもらうところだけど、玉森くんは何ていうか……申し訳ない気持ちが勝る。
「ええー…じゃあ、せめて端数だけでも。」
「いいよ、今度で。」
「………」
……今度?
それは、つまり、次があるってこと?
「……え?どうかした?」
「っ…え、ううん…!」
戻ってきた店員さんに渡された伝票にサインして、受け取ったカードを財布にしまってる玉森くんが、動揺してる私を見る。
さらっと言ってるけど、深い意味はないんだよね…?
「タクシー呼んだから行こっか」
立ち上がった玉森くんを追うようにお店を出る。
「えっ……雨?」
「今日降るなんて言ってたっけ?」
「ううん。言ってなかった。」
ゴロゴロと雷の音が遠くから聞こえてくる。
「乗って!送ってく!」
「え?いや、私まだ電車あるから大丈夫だよ!」
「雨降ってるし、もう遅いし!
いいから!一緒に乗って!」
「え?ちょっ…!」
押し込まれるようにしてタクシーに乗り込む。
えっ。
てか、家の方面一緒なの?
「Aちゃん、家どこ?」
「○○駅の方だけど……
玉森くんは?方面違うよね?」
私は仕事柄、空港に出やすいところに住んでる。
決して芸能人が住むような土地ではないし、たぶん、いや絶対、通り道じゃない。
「すみません、
〇〇駅までお願いします。」
「ねぇ、玉森くん…、」
「ちゃんと家まで送りたいから」
「大丈夫だよ?子供じゃないんだし。
夜遅くに帰るのなんて慣れてるし。」
「…そんなに夜遊びしてるの?」
玉森くんの言葉に「え?」となる。
「違くて…‥
仕事で遅くなることはしょっちゅうだから。」
「家まで送るのは連れ出した男の責任だよ」
……そんなこと言う男性、初めてだよ。
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にかみつば(プロフ) - たまたま見つけて読ませてもらってます☺️北山くんが来てなんだか楽しい展開になってきて続き読むのが楽しみです🥰 (6月27日 1時) (レス) @page30 id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - りょうこさん» 初めまして!コメントありがとうございます!どうやら私の設定の問題でしたね…ご指摘感謝です!変更したので引き続きよろしくお願い致します(^^) (2021年6月28日 12時) (レス) id: 60f3e03fcf (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しく拝読しています!機能のせいなのか、更新されたストーリー番号の横に【NEW】が表示されるといいなーって密かに願ってます。 (2021年6月28日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月21日 14時