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気まずそうに笑ってるAちゃんの視線を感じながら、俺はゆっくりとドアノブに手をかけて扉を開ける。
北『よっ！』
横『おはよ』
ニヤついてるメンバーの視線が心に刺さる。
「入れよ」
北『もうよろしいのかな？』
「閉められると逆に恥ずいわ」
顔の緩みが止まらないメンバーたちが楽屋に入るなり、
『そんで？実際どうなのよ？お二人さんは』
なんて宏光が仕切り始めてただただ固まる。
Aちゃんに視線を向ければ困ったように気まずそうに笑ってて、ここは男の俺がどうにか乗り切るしかないと思った。
「…さっきの、そのまんまの意味だよ…」
北『うぇーーーい！！！』
横『いいじゃん！いいじゃん！お熱いねぇ〜』
宏光に肩を組まれて、
『そんで？肝心の返事は？』
期待いっぱいの瞳で見つられた。
「…返事……？」
『そっ、Aちゃんの返事！』
あぁーー。
そこはまだ触れてほしくなかった。
だって今はまだ答え待ちっていうか、考え中っていうか…
Aちゃんがこれから俺を知って答えを出してくれるわけで。
『聞いとこうよ、今ここで！』
「いや、宏光…っ、それは…」
『ね？どうなの？実際』
「えっ…私…？！」
ほらね。困っちゃってるじゃん。
ここで答えを出させるのは、いくらなんでも酷すぎるでしょ。
『ありかなしかで言ったら？』
「……」
『引き延ばして変な期待持たせてもさ』
……なんで振られる前提なんだよ。
「Aちゃんいいよ、答えなくて」
「期待してもらっていいですよ」
「っ…？！」
『え？つまりそれって…！！！』
「ってててててて…！！！」
俺の肩を抱く宏光の腕に力が加わって驚き半分、痛み半分で思考回路がついていかない。
「だから、悪い答えは出さないって意味です」
…ん？
つまり？それは？
「はい、この話はおしまい！
メイク始めましょ！時間なくなっちゃいますよ！」
北『つまり付き合うってことだよな？なぁ？！』
「…っ、」
興奮する宏光たちと呆然とする俺。
俺、まじで期待しちゃっていいのかな？
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年11月22日 12時
