◇ ページ29
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「…っ、あの…千賀さん…、？？」
「っ！！わわっ、ごごごめん…！！」
村上さんの言葉に腹立って。
居ても立ってもいられなくなって。
「ごめんっ…！つい、俺…！」
咄嗟に2人を引き離すかのように閉まるボタンを押してAちゃんの腕を引いて抱き寄せてた。
ドアが閉まる中でそんな俺の行動を唖然と見てた村上さんの表情が帽子から少しだけ覗けて、その時ばかりは「ざまぁ見ろ」なんて思ってる俺がいたのに……
「まじで…ごめん…！」
冷静になった今、物凄く後悔してる。
「ふふっ」
「……？」
「はははっ！！！
千賀さんっ…面白すぎ！！！」
「え？面白い…？」
ウケ狙ったわけじゃないのに。
少なからずカッコいいつもりで、俺…、
「エレベーターの中でいきなり動いたりして…！
めっちゃ揺れましたよ！！！」
「えっ…あ、ごめん……」
「それにこういうことは普通、好きな子にやるんですよ？」
「……」
「ダメですよ？簡単にやったりしたら」
好きだよ。
Aちゃんの事。
言いたいけど言えない。
だってまた�猝滅鬚き瓩辰鴇个錣譴修Δ世�ら。
俺の本気をきっと冗談だと受け流すから。
「はははっ…ごめん！
もう、俺何してんだって感じだよね…！」
「でもありがとうございます。これで村上さんへの鬱憤が晴れました！
あぁ〜すっきり！！行きましょ！」
今度は俺の背中を押すようにしてエレベーターから降りると、「何食べます？」なんてルンルンで俺の顔を覗き込む。
そのままの勢いで並んで待つタクシーに二人で乗り込んだ。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年11月22日 12時
