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Aちゃんと連絡が取れなくなって3日が経った。
すっげーヘコんでる俺。
軽率な行動が、こんなことになるなんて……。
あの日、どうして家に来てたのか。
茜から全部聞いた。
俺が追いかけて、ちゃんと話すことができたら、こんなことにならなかったかもしれない。
一昨日も昨日もスタジオに缶詰めで、仕事が終わって家に帰ったのは夜中の2時過ぎ。
今日はメンバーと地方ロケ。
拘束されっぱなしで自由な時間なんてない。
ちょっとの合間を見つけては電話するけど、やっぱり出てくれない。
仕事は山積み。
分刻みのスケジュール。
家を知ってるのに会いに行く時間もない。
全てが悪循環だった。
「っ…へッ、クション!!!!」
「…?!
ガヤさん、風邪?」
「いや…たぶん大丈夫」
「最近あんまり寝れてないでしょ?
疲れ溜まっちゃってるんじゃない?」
ティッシュで鼻をかむ俺の肩を後ろから揉む千賀の手つきがやたらとやらしくて、
「ちょ…くすぐったいから!」
変な鳥肌が立って体をよじらせた。
『ごめん。
誰か2人だけ1時間早い新幹線で帰ってほしいんだけど』
マネージャーからの思ってもみないラッキーな提言に俺は即座に手を挙げる。
その隣で「じゃあ俺も」って千賀もつられて立候補した。
1時間早い新幹線
つまりそれは1時間早く家に戻れるということ。
今日こそ、Aちゃんに会って話したい。
家に行く絶好のチャンスかもしれない。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年9月15日 12時