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足元が覚束ない太輔くんを支えながら家に入るとそのままベッドに寝かせて、つい最近圧縮してクローゼットにしまった毛布を引っ張り出して太輔くんの体に巻きつける。
「っ…ゴホッ…ごめん、Aちゃん…っ」
「すぐおかゆ作るから待ってて！」
「いや、大丈夫だから…！」
「全然大丈夫じゃないよ。
何かお腹に入れないと薬も飲めないし。ね？」
急いでキッチンに立つと冷蔵庫の中から使えそうな食材を取り出して取りかかった。
♩〜♩♩
……？
ご飯を火にかけた時、少し離れたところから聞こえてきた着信音。
テーブルの上に置いた自分のスマホじゃない。
「…太輔くん、電話…、」
半分閉めた部屋を覗き込むと、静かに寝息をたててる太輔くん。
その柔らかい寝顔に安心した。
寝てくれたら少しは回復するかなー…
足元に置かれた大きなボストンバッグの外ポケットから画面の光が漏れてて、ふと手に取ると画面に表示されてる�爛泪諭璽献磧辞瓩諒源�。
どうしよう。
マネージャーからの電話ってことは、きっと大事な内容だよね？
起こした方がいい？
でも体調悪いし、今寝たばかりだし。
どうしようどうしよう。
人のスマホを手に取ったままオドオドしてたら、切れた着信。
「はぁー……」
ホッとしてスマホを元あったポケットに戻そうとしたら、また鳴り響いた着信音。
これだけ続けて鳴るんだもん。
やっぱり何かの緊急連絡なのかも。
「っ…？！」
再び画面を確認すると、
�狎蕾豬魃吻�
と表示された名前。
「…千賀くん…？」
前に会ったことを思い出して、顔も名前も知らないマネージャーよりは話しやすいかなって勝手に思ったりして。
太輔くんのこの状況も伝えなきゃだし、もしかしたら所在がわからずに探してるかもしれないし。
「…もしもし？」
《……》
通話ボタンをタップしたら、向こうからの反応はない。
それもそうだよね。
太輔くんの電話に女の人が出るんだもん。
「あ、あの…、Aです。先日お会いした…」
《…Aちゃん？》
「はい。千賀くん、あの…太輔くん今、」
《ガヤさんの携帯になんでAちゃんが？》
混乱してる千賀くんに太輔くんの状況を伝える。
そして今、ぐっすり寝てしまってることも。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年9月15日 12時
