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気分の乗らない私を無理矢理抱いた巧見が、
「なんだよ、今日1回しかできねーじゃん」
ゴムの空き箱をゴミ箱に投げ入れた。
ベッドに横たわりながら、その光景をただボーッと眺める私。
準備されてなかった私の身体に無理矢理したことで痛みが残る下半身。
それにあわせて今日は心も痛い。
「ゴム買い足しとけよ」
……最低。
そう思うのに、こんな男を好きになったのは私だ。
本性バレて婚約破棄されればいいのに。
「あぁー明日ドレス見に行くの付き合わされんだよ。超ダルッ…」
スマホで時間を見ると1時過ぎ
巧見の言う明日は、もはや今日になってる。
「Aだったら何色着たい?」
それ、私に聞く?
本当にデリカシーなさすぎ。
だけど、そんなヤツが好きだった私はもっとセンスない。
「式の準備でいかに協力したかがその後の結婚生活に影響するらしいよ」
「赤だな、うん。Aは赤」
人の忠告聞いてんの?
本当に本当に、
破局しちゃえ。
「いつかの参考にさせていただきます」
ベッドから起き上がると、近くにあったYシャツを拾い上げて腕を通した。
「あ、おい!それ俺の!」
「前回置いてったやつあるでしょ」
クローゼットをアゴ先で示すと、そのまま部屋を出てお風呂場に向かった。
「適当に出てってね」
一言だけ叫ぶと、応答を聞く前にドアを閉める。
今日だけは泊まらせたくなかった。
あのベッドで一緒に朝を迎えたくなかった。
全然気持ち良くない巧見との行為は初めてで、果てた巧見を目の前にして罪悪感で胸がいっぱいになった。
でもそれは顔も名前も知らない巧見の婚約者に対してじゃなくて、行為中もずっと頭に浮かんでた太輔くんに対するもの。
痛みと苦しさで我慢してた涙をシャワーと一緒に流し落として部屋に戻ると、すでに巧見の姿はなくて、ベッドにかけられた乱れたシーツを剥ぎ取り洗濯機に詰め込んだ。
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珠美(プロフ) - 美月さん» 美月さん*この作品も読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)こういう小悪魔女子に憧れて書いてみました!コメントいただけて嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします! (2021年9月6日 7時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 珠美さん、こんばんは(^^)こちらの作品も拝見させていただきました!!藤ヶ谷さんを翻弄してしまう主人公ちゃん、やりますねー(笑)こちらの展開もとっても楽しみです!どの作品も本当に素晴らしい!!方々にコメント失礼いたしました<(_ _)> (2021年9月5日 22時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - ぺこさん» ご指摘ありがとうございます!!!本当ですね…!致命的なミスをしてました(T_T)失礼しました。すぐに訂正いたします! (2021年8月27日 14時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - 太ちゃんじゃないですか? (2021年8月27日 13時) (レス) id: 9baa58e5fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年8月26日 9時