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巧見は新入社員の頃から、その甘いルックスと上手いトーク術で、社内のみならず取引先の女性たちを魅了してきた。
同じ部署に配属されて、同じような仕事を任された私たちが仲良くなるのにそう時間はかからなくて、仕事終わりに飲みに行ってはお互いを刺激し合う理想的な同僚の関係だった。
それを良く思わない女性社員たちが社内にいることは私も気付いてて、『出会い系で男を漁ってる』だの『色目使って営業先に媚び売ってる』だの散々陰口を叩かれたこともあった。
それをたまたま給湯室から聞いてしまった時、
「色気のない女より、よっぽどマシだと思うけど」
「っ…?!た、巧見さん…!」
「今のは、その…、」
「い、行こ…!ほら!!」
女性陣にそう言ってくれたのが巧見だった。
「気にすんなよ。
実力ない奴らの僻みだろ」
「……わかってる。
そんな事いちいち言われなくても…」
給湯室に身を潜めてた私に気付いた巧見は大きな手で私の頭を撫でてくれて、その時ばかりはとにかく悔しくてグッと堪えてた涙がツーッと頬を伝って流れ落ちた。
「なぁ、」
「……?」
「俺ら付き合ってることにしたらいいんじゃね?」
「…は?何急に、」
「彼氏いるってわかれば出会い系やってるなんて誰も思わねぇじゃん」
「そもそも出会い系やってないし」
「いいの?
今は俺の彼女として乗り切る方が賢いんじゃない?」
「……」
「まぁ、悪い話じゃないと思うけど」
ちょうど大事なプロジェクトを抱えてた時で、これだけはどうしても通したくて、悪い噂が立つのだけは避けたかった。
社内での自分の立場を優先した私は首を縦に振るしかなくて、これはあくまで仕事の為だと割り切って巧見の彼女を演じることにした。
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珠美(プロフ) - 美月さん» 美月さん*この作品も読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)こういう小悪魔女子に憧れて書いてみました!コメントいただけて嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします! (2021年9月6日 7時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 珠美さん、こんばんは(^^)こちらの作品も拝見させていただきました!!藤ヶ谷さんを翻弄してしまう主人公ちゃん、やりますねー(笑)こちらの展開もとっても楽しみです!どの作品も本当に素晴らしい!!方々にコメント失礼いたしました<(_ _)> (2021年9月5日 22時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - ぺこさん» ご指摘ありがとうございます!!!本当ですね…!致命的なミスをしてました(T_T)失礼しました。すぐに訂正いたします! (2021年8月27日 14時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - 太ちゃんじゃないですか? (2021年8月27日 13時) (レス) id: 9baa58e5fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年8月26日 9時