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「本当に大丈夫?やっぱり俺が送ろうか?」
起きない茜をタクシーに乗せると、俺の後ろで茜の荷物を持つAちゃんに声をかける。
「大丈夫!茜の家わかるし!」
そう言いながら一緒に乗り込んだ彼女が「今日はありがとね」って笑顔を見せた。
「こんなになってる女性を連れてるところ誰かに見られたらマズいでしょ?
だからほら!早く太輔くんもタクシー乗って帰って!ね?」
「……」
俺の立場を理解してやたらと気の利く彼女の言葉に、俺は言われるがまま身を引くしかなかった。
タクシーから一歩下がると「閉めまーす」という運転手さんの声が微かに聞こえた。
‥‥
‥‥
「あっ、あのさ…!!」
「っ、?!」
ゆっくり自動で閉まろうとしたドアを咄嗟に手で押さえる。
その瞬間に驚いた顔したAちゃんが大きな瞳をさらに大きくして俺を見つめた。
「連絡先、教えて?」
「え?」
何も考えず、勢いのままに口走ってた。
さっきまで笑ってくれてたAちゃんの驚く表情を見たら一気に自信がなくなる。
あぁーこれは断られるパターンかも。
「いや…ちゃんと送れたか心配だし、Aちゃんも夜遅いから大丈夫かなっていう…その確認のために…一応さ…、」
どうにかこの難関を突破したいがために思いつく理由をとにかく並べたのに、最終的には口ごもるという情けない醜態。
どうした、俺。
これじゃ恋愛上級者のメンツが丸潰れじゃないか。
「あぁーあ、先に聞かれちゃった…」
「……?」
「私から聞こうと思ってたのに」
拗ねるように頬をぷくっと膨らませて俺を上目に睨む顔は史上最強に可愛くて、今日何個目かの爆弾が俺の真上に投下された。
その衝撃があまりにも大きすぎて、この後どうやってLINEを交換したのか正直あまり記憶にない。
ただ、LINEのメッセージ欄の一番上にあるのはAちゃんの名前とトップ画。
それをタップすると、すぐに送られてきた女の子のスタンプが「ありがとう」って文字と一緒にクルクル回ってる。
…やばい。
今の俺もこのスタンプ並みに回りたい。
テンション上がりすぎて顔の緩みが止まらなくなってる。
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珠美(プロフ) - 美月さん» 美月さん*この作品も読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)こういう小悪魔女子に憧れて書いてみました!コメントいただけて嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします! (2021年9月6日 7時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 珠美さん、こんばんは(^^)こちらの作品も拝見させていただきました!!藤ヶ谷さんを翻弄してしまう主人公ちゃん、やりますねー(笑)こちらの展開もとっても楽しみです!どの作品も本当に素晴らしい!!方々にコメント失礼いたしました<(_ _)> (2021年9月5日 22時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - ぺこさん» ご指摘ありがとうございます!!!本当ですね…!致命的なミスをしてました(T_T)失礼しました。すぐに訂正いたします! (2021年8月27日 14時) (レス) id: dad748ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - 太ちゃんじゃないですか? (2021年8月27日 13時) (レス) id: 9baa58e5fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年8月26日 9時