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「いつもすみません…」
藤「なにが？」
「こんな面倒な奴の心配してもらっちゃって、」
藤「そんなことないよ」
宮「ずっと一緒に仕事してきたんだからこういう時くらい、ね？」
「横尾さんの顔だけ拝んで戻ります」
優しすぎる二人と話してるとまた涙が込み上げて来る。
藤「A、」
「？？」
藤「俺らがいるから」
「それ、最後の砦ってやつですか？」
藤「そういう意味じゃないけど、…って冗談言う余裕あるじゃん！」
「お二人のお陰です」
宮「でも本当に、何かあったらこれからもさ、」
「大丈夫です、もう、本当に、」
期待したくないの。
勘違いして傷付きたくないの。
「行ってきます」
藤「うん」
宮「Aちゃん、ファイト！」
二人に見送られて部屋のドアノブに手をかけた瞬間に立ち止まる。
藤「…どうした？」
「横尾さんにおめでとうってちゃんと言えたら、何か美味しいものご馳走してくれますか？」
藤「ああ、もちろん。
フレンチでもイタリアンでも何でも」
「…焼肉がいいです」
そう言うと優しく笑った二人につられて私も思わず笑みが溢れた。
藤「A」
「？？」
藤「いや、何でもない」
何かを言いかけて、横にいる宮田さんを見るなりすぐに口を噤んだ藤ヶ谷さんに首を傾げる。
藤「…やっぱ俺も一緒に行くわ」
「え？」
宮「え、じゃあ俺も！」
「ちょっと、え、？？」
肩を組まれるようにして部屋を出て横尾さんのいる楽屋へと向かう。
本当は一人じゃ不安だった__
幸せになって欲しい、それは本心。
ただ伝える勇気がなかっただけ。
でも今なら言える、
だって私には過保護なサポーターが居てくれるから。
「横尾さん、ご結婚おめでとうございます」
私の分も、幸せになってくださいね__
Fin...
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年4月18日 12時
