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「彼女の様子がおかしい？」
番組収録の休憩時間にスマホを見てたガヤさんに悩みを打ち明けた。
俺からの恋愛相談がそんなに珍しかったのか、一瞬驚いた顔をして固まってる。
「え、例えば？」
それでもすぐに切り替えてスマホをテーブルに置くと姿勢を正して座り直した。
「いや、昨日のことなんだけどさ、私のこと何だと思ってる？って聞かれて、」
「…それは、急に？どういう意味？」
「だよね、やっぱりそう思うよね。
だから俺も、どういうこと？って聞いたら、お母さんって思ってないかって言われて…」
「…ああ〜、、それで？何て言ったの？」
「俺のお母さんなら家にいると思うって」
俺の答えを聞くなり口をあんぐり開けて口角が引きつってるガヤさんと目が合う。
え、なに、その表情、、
「……宮田、それは間違ってるわ」
「え、なんで？どこら辺が？」
「いや、だからさ、」
近くにあったペンを徐ろに手に取ると何かを書くのかと思えばペン先を出すわけでもなく、ただ机をトントンしながら話し始める。
「それは、もっと彼女扱いしてほしいってことじゃない？」
「…彼女扱い？」
「最近自分のこといつやった？」
「自分のこと、？」
「家のこと全部任せてるんじゃない？」
「まぁ、確かにそこは、」
「それが不満なんじゃなくて？
私はあなたの母親じゃないのに、っていう…」
「でも別に頼んでないよ？
もともと彼女の方が料理も洗濯も掃除も得意で自分でも好きって言ってたし」
「それ、まじで言ってる？」
「別に彼女いなきゃ俺だって多少はやるし」
「……宮田、それはダメだ。そのままじゃ振られるぞ」
「え？なんで？」
「地獄へのカウンドダウンがすでに始まってるね」
「やめてよ、急に不吉なこと言うの！」
「とにかく彼女のことが大事ならそれをちゃんと伝えないと」
「んー……」
「なんでちょっと不満そうな顔してんだよ」
「伝えるって言われても…」
顎に手を当てて半分項垂れたガヤさんが「うぅーん」と小さく唸ってる。
俺だっていい歳だし、恋愛経験が無いわけじゃない。
だけど女性の喜ぶツボとか嬉しいサプライズとかそういうものはどうも苦手で今までそれとなく避けてきた。
そんな俺にもしっくりきて長く側にいてくれる人が出来て、それが今のAだからそんな不満を抱かれてるなんて気付かなかった。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年4月18日 12時
