私って？_M ページ16
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自分には特殊能力があると自負してることがある。
それはアラームが鳴る数分前に自然と目が覚めること。
隣でまだ熟睡している彼を起こさないようにスルリとベッドを抜け出すと朝食の支度を始めた。
冷凍しておいた鮭を焼いて、お味噌汁を作って、昨日少し多めに炊いておいたご飯を温める。
ちょっとくらいの物音で起きるような人ではないけど、手際の良さからそれさえも最小限に抑えることが出来る自分を�爛妊�る彼女�瓩世伴�負してる。
「俊哉」
「………」
「とーしやっ！」
「んぅ…A……」
何度目のスヌーズ機能だろう。
鳴り続ける俊哉のスマホをわざと頭の横に移動させて毛布に包まる体を揺すぶると、その手を掴まれてベッドの中に引き込まれそうになる。
「ちょっ、早く起きて、遅刻するよ！」
そんな俊哉の腕を引き離して距離を保つ。
「朝からそんな怒らなくてもいいじゃん…」
彼はのそっと起き上がると、ボサボサの髪をさらにワシャワシャと掻き乱して小声でぶつぶつ言いながら食卓についた。
「いただきます…」
「はい、どうぞ」
食べる前に手を合わせる律儀さは偉いと思う。
ずずっと味噌汁を啜って、あちっ…と呟く彼。
朝から文句ばっかりじゃん。
「今日は何時に帰ってくるの？」
「たぶん夕飯までには帰れると思う」
夕飯までって、いつもあなたの帰宅時間に合わせて作ってるんですけど？
「食べたいものある？」
「んーAが作ってくれたものなら何でも」
彼なりの気遣いなのかもしれないけど、この手の質問に毎回この答えを返されるのは作り手として気分が良くない。
「ごちそうさまでした」とまた律儀に手を合わせて席を立つと、着替えに行ったのかまだ安定しない足取りで寝室へと消えて行った。
「ねえ、黒のパーカー知らない？」
テーブルに置かれたままの空っぽの食器を流しに運んでる時にリビングに顔だけを覗かせた俊哉。
「クローゼットのハンガーに掛けたよ」
うんともすんとも言わずにまたふらっと姿を消したかと思えば、「あぁ、あったわ」と目当てのパーカーに腕を通しながら満足そうな顔して戻ってきた。
「スマホ忘れてるよ」
「ああ、ありがとう」
「あと今日雨降るかもって、傘持っていく？」
「いや、いいや。どうせ車だし」
付き合って5年、同棲して2年目になる。
最近の私は彼にとって�猗狃��瓩箸いΔ茲雖爐�母さん�甦兇�否めない。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年4月18日 12時
