キミが好き。5 (ページ12)

今日:18 hit、昨日:11 hit、合計:15,261 hit

◇ ページ12

.

「今日は忠告通り帰りましょうか、
本当はもっと二階堂さんとお話ししたかったですけど」

本気なのか社交辞令なのか、ふふふって笑う彼女に完全に心奪われた俺は反応することすら忘れてしまう。

「気が向いたら連絡ください」

カバンから取り出した手帳のメモ欄に何かを書き込んで小さく千切ると俺の前に差し出す。

そこに書かれたLINEのIDらしき英数字の並びを見つめた。

「お酒のノリじゃないことを願って待ってますね」

律儀なのか、駆け引きが上手いのか。

こんな引き方されたら追いかけないわけがない。

店を出る前にタクシーを呼ぼうとしても電車があるからと送らせてもらえなかった。

俺一人で乗ったタクシーの中で財布に大事にしまったメモ紙を取り出して、一文字ずつ間違いのないようにスマホに打ち込む。

焦る気持ちとほんの少しだけ抱いた疑いの気持ちを抑えながら〝検索〟をタップした。

……出た！

正真正銘、Aという名前。

これが彼女の駆け引きだとわかってても惚れたもん負けだ。

俺はすぐにメッセージを打ち込んだ。

二階堂です。
今日はありがとうございました!次いつ会えますかね?
遅い時間で心配なので家に着いたら教えてください

…既読になるかな。

…ちゃんと返信来るかな。

こんなソワソワして待つやり取りは久しぶりだ。

スマホを握りしめたまま、程良く残ったアルコールと車の心地良い揺れに誘われてゆっくりと目を閉じた。

To Be Continued...

長くなってしまいそうなので続編に書こう思います^^;