理性_T ページ10
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”良識ある大人なら理性ある行動を…“なんてよく耳にするけど、それは俺だけに留まらず彼女にも言えることだと思う。
「玉ちゃん、お酒買ってきた！」
突如インターホンが鳴ったかと思えば、買い物袋を見せつけるように画面に映る彼女の姿に小さな溜め息が出る。
それでも断らずに開けてしまうのが俺の弱いところで、それを彼女も知ってて来てるんだろうな。
「見て見て、これ新作らしいよ！可愛くない？！」
桜のパッケージのビール缶を袋から取り出して嬉しそうに見せてくる。
「こんなしょっちゅう来ててガヤさん怒んないの？」
「玉ちゃん家に行くなんて言うわけ無いじゃん」
それが当たり前のことかのようにドヤ顔する彼女に何も言い返せない俺は同罪かもしれない。
「まぁ言ったところで怒るような人じゃないし」
それはガヤさんが優しいからとか心が広いからではない。
「今日も彼女のところに泊まるんだってさ」
彼女はガヤさんの�狷麋嵬椨瓩梁減澆世�ら__
「知らないとはいえ、彼女が他の男の家に行ってんのに余裕だな」
「まぁバレても玉ちゃんならいいんじゃない？」
「それ何なの？何の安心感？」
「玉ちゃんは太輔の家族みたいなもんでしょ。
それに相手の意思を無視して行動を起こすような人じゃないし」
信用されてるのか、完全に甘く見られてるのか。
「そうだけど、突然来て彼女とかいたらどうしようとか考えないの？」
「いないでしょ彼女」
「いつできるか分からないじゃん」
「まぁそうね、できたら言ってよ」
言ったら本当に来なくなるのかな。
もしそんな時が来たらAは何て言うんだろう__
「何かおつまみ作るよ」
「わぁー！いつもいつも気が利くー！」
この笑顔を見たら彼女をつくろうなんて到底思えないけど。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
