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元カレにそれはそれは酷い振られ方をして、一部始終を知ってる高嗣が怒るのも無理はない。
一晩中泣きながら愚痴り続けた私に付き合ってくれたのも高嗣だった。
「謝りたいって言われたから…」
「それでノコノコ会いに行ったわけ？」
「うん…」
悪いことをした生徒とそれを注意する先生みたいに向かい合って、自分の体がどんどん小さくなっていくように感じる。
「で？どうだったわけ？」
「初めてちゃんと謝ってくれた」
「それで？」
「え？」
「だから、その後さ、どうなったわけ、？」
語尾が小さくなっていく高嗣に違和感を感じて顔を上げると、寂しそうな不安そうなさっきとは違う目をして私を見てる。
「それだけだよ」
「ヨリ戻そうとか…」
「ないよ、もう終わったことだから」
「本当に？」
「うん」
はあ〜、と本日2回目の大きな溜め息が聞こえた。
でも今回はいつも通りの高嗣の優しい顔。
「…よかった」
「なにが？」
「やっと言える」
「なにを、？？」
真っ直ぐ見つめられて思わず身構える。
「幼馴染やめない？」
「え、なんで…愛想尽かしちゃった？」
「違うよ」
「鬱陶しくなった？」
「そうじゃなくて…、
それ以上になって欲しい」
あんなにいつも自信満々なのに、恋愛になると全然はっきりしない高嗣を幼馴染として近くでずっと見てきた。
だからこそ、この言葉が彼なりの最大限の愛情表現だとすぐに分かった。
「もしかして、ずっと待っててくれてたの？」
高嗣が彼女を作ってこなかった理由に今更ながら気付いて、胸がキュンッとくすぐったくなる。
「待ってたっていうか、Aが誰からも相手にされなくなったら可哀想じゃん」
ぶっきらぼうに言ってる割に顔が赤いことに笑ってしまいそうになる。
やっぱり素直じゃないところも高嗣らしくて愛おしい。
「俺じゃダメ？」
「…ダメなわけないでしょ」
当たり前の心地良さがいつも近くにあった。
�猴墜訐��瓩任△蠅覆�ら高嗣は私にとって�狷段稔瓩世辰拭�
そんなお互いの気持ちに気付くことに遅すぎることなんてない。
「おかず、まだある？」
「うん、あるよ」
「明日も夕方には帰って来るから」
「分かった、ご飯作って待ってるね」
こんな当たり前の日常がこれからもずっと続きますように__
Fin...
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
