好きの違い_2 ページ47
キミが好き。2 【秘め事_2】の番外編です♡☺︎
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「ただいまー！」
日を跨ぐまであと数分のところで玄関から聞こえてきた声に、テレビから視線を外してソファーから立ち上がる。
帰ってきた、帰ってきた…！
「おかえり、どうだった？」
「んもお！超楽しかった！
風磨くんこのツアーのために髪色変えててさ！めーっちゃかっこよかった！」
案の定、高いテンションでお喋りが止まらない。
「お風呂沸いてるから入ってきたら？」
「うん、ありがとう！」
団扇の持ち手が顔を出す荷物を一旦置いて、聞き覚えのあるリズムの鼻歌を歌いながらお風呂場へと向かった。
ああ、ダメだ。やっぱり無理。
彼女の口から菊池の名前を聞くなんて耐えられない。
世のジャニーズファンを持つ彼氏のことマジで尊敬するわ、なんて自分がそのアイドルであることは棚に上げて感心する。
「高嗣、お風呂ありがとう！」
「いいえ〜、何か飲む？」
食器棚を開けながら問いかけると返事が無い。
不思議に思って振り向けば床に座ってグッズの整理をしてるAがいた。
「…A？それ明日にしたら？湯冷めするよ？」
「…うん」
俺に見向きもしないで口だけの返事をして黙々と整理する姿を見るこの時間が虚しくて堪らない。
「なあ、」
「っ、びっくりした…！」
「菊池もいいけど、俺もいるじゃん」
「ちょ、離れて…」
しゃがみこんだAを包み込むように後ろから抱きしめる。
俺の腕の中でもがくAの耳が赤いからちょっとは効果あったかな。
「これだけだから、お願い」
同じ事務所に所属するアイドルの写真をこんなにマジマジ見るのは初めてで、嫉妬はもちろん、自分じゃないのに何だか照れくさい気持ちにもなってるのなんでだろう。
一枚一枚、丁寧に写真をアルバムの中に入れていく。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
