小さなお客様_Ki ページ45
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「Aいる？入るよ！」
久々に彼女と休みが被って、咲き始めた桜でも見に行って美味しいもの食べようと誘ったら家でなら会えるとの返答。
重度の花粉症の彼女を花見に誘ったのが失敗だったか…と反省しながら合鍵でAの家に入れば、ちょこんと玄関に置かれた小さな靴に一瞬固まった。
恐る恐るリビングに向かって廊下を進めば徐々に大きくなる賑やかな声。
「あ、宏光！ごめん、連絡くれてた？」
ドアを開ければ床に座り込んだAが顔を上げる。
そしてその彼女の膝の上に座る小さな子供と目が合った。
「…えっと、」
「ああ、この子ね、弟の子でさ、夫婦で結婚式に出席するから預かってほしいって言われて」
「あ、そういうこと」
「ゆうた、挨拶は？」
『こんにちわぁ』
�爐罎Δ伸瓩辰凸樵阿砲弔と娠�してしまった。
何て呼ぼうか。
�爐罎Δ燭�ん�瓩辰鴇箸貊�いよな。
「ごめんね、今日せっかく誘ってくれたのに…」
「いや、全然いいよ。
俺こう見えて子供好きだし」
「えっ、そうなの？初耳だけど(笑)」
「ゆうたくん、お兄さんとも遊ぼっか」
しゃがみこんで視線を合わせたところまでは良かった。
しかし完全に警戒心剥き出しで怪訝そうな顔で見つめられる。
『おじさんだれ？』
…おじさん。いや、マジか。
「宏光おじさんだよ、お姉さんのお友達なの」
Aからもおじさんと呼ばれる始末。
しかも友達って、、
「Aお姉さんの彼氏で…いてっ、！」
「余計なこと言わなくていいから…！」
俺の肩を軽く叩いたAが顔を真っ赤にして俺を睨みつける。
こんな年の子に彼氏なんて説明したところで分かるはずもないのに真剣に怒ってるAが無性に可愛く見える。
『Aちゃん、パズルやろう！』
「おっ、俺めっちゃ得意！」
一緒にやろうと横から手を伸ばしたらスッと退かされた。
「ゆうた、みんなで遊ぼう？」
『…やだ』
は？全然面白くない。
百歩譲って一緒に遊ぶなら良しとする。
無理なら俺のAを返してくれ。
申し訳なさそうに俺を見ながら“ごめん”と口パクするAに苦笑いを返す。
「全然大丈夫」なんて言ってるけど本音は真逆。
小さい子はもちろん可愛いし、普段から懐いてるAに甘えてるのも理解できる。
だけど膝枕をしてもらったり、ふざけて服の中に入ろうとしたり…
こんなやり取りを指咥えて見てるなんて、さすがに嫉妬で狂いそうになる。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
