アメちゃん_F ページ41
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丸一日かかった長時間の収録がやっと終わった。
張ってた気が一気に緩んでメンバーと賑やかに話しながら楽屋に着くと、パタパタと後ろから近付いてくる軽い足音が聞こえる。
俺は察してみんなを先に中へ入れると、その足音の正体を確かめるようにゆっくり振り向いた。
「藤ヶ谷さん！お疲れ様です！」
「お疲れ様！」
この子からの�爐�疲れ様です�瓩慮斥佞頬榲�に疲れが吹き飛ぶ。
番組スタッフのAちゃんの存在は俺の中でかなり大きい。
「藤ヶ谷さん待ってました！いつものください！」
「いつものって(笑)
てかごめん、今日は持ってないんだ」
小さな両手を合わせて、ちょうだいのポーズ。
…やばい、可愛すぎる。
「ええ〜持ってないんですかぁ…」
分かりやすく落ち込む彼女を見て口元が緩む。
この�爐い弔發劉瓩箸浪兇�持ってるのど飴のこと。
前に歌番組の収録前にメンバーに配ってたのをたまたま見られたのが始まり。
「…ああー俺もちょうど食べたくて買いに行こうと思ってたんだけど、」
「え！本当ですか？！一緒に行きます！」
目をキラキラさせて嬉しそうに付いてくるAちゃんの強引さが可愛くて俺も満更ではなく心は踊ってる。
俺がそんな風に思ってるなんて知る由もないんだろうな。
「藤ヶ谷さんにオススメしたい飴があるんです！」
「オススメの飴？」
「私調べたんですよ！」
お菓子とか常に持ってるタイプじゃなかったけど、たまたまあげた小さな飴一つでこんなにも喜んでくれる姿を見られるなら何でもしてあげたくなる。
今日は歌番組じゃなかったから用意してなかったけど、こうやって局内にあるコンビニまで模擬デートが出来るならこれほどの棚ぼた話はない。
「あ、てか私財布忘れました」
「いいよ、そんなの気にしなくて」
「わざとだと思ってます？」
「思ってないって(笑)」
ごめんなさい、なんて小さくなってる姿。
…本当に可愛すぎる。早く俺のものに出来たらな。
最初の俺の予定ではAちゃんの好きなもので餌付けして、俺のところにしか来ないように仕向けてたのに。
そんな可愛い彼女に結局俺の気持ちばかりが大きくなって、ただただ俺が一方的に貢いでるだけになってる。
もともと人懐っこい彼女の性格だからそれもどういう意図なのか全く分からないし。
…結局惚れたもん負けってやつだ。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
