幼馴染_2 ページ5
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「ねえ、高嗣」
これで何回目だろう。
「醤油は？」
「…ああ、いる」
私の一度目の質問はスルーして、改めて名前を呼んでやっと答える感じ。
「今日なんか変じゃない？」
私の手料理をがっつく高嗣の姿はいつも通りだけど、今日はどこか上の空のようにも見える。
最近すごく疲れてるみたいで気にはなってた。
「別に、いつもと変わらないでしょ」
簡単には心の内を見せないことはわかってる。
だけど、誰にも話せないことを唯一話せる存在でありたいと思ってきた。もう何年も前から__
と言っても、ただの幼馴染が出来ることなんてないのは分かってるけど。
「無理にとは言わないけど、私にも出来ることがあったら遠慮せずに言ってね？」
「こうやってご飯作ってくれるだけで十分だよ。そこらの定食屋より美味いし」
「それはどうも」
高嗣が大衆食堂なんて行くんだろうか…なんて思いながらも、見る見るうちに減っていくおかずの量に嬉しさが込み上げる。
「おかわりいる？」
「ん、」
渡された空のお茶碗を受け取ると炊飯器からご飯を盛る。
「良かった、今日はたくさん炊いといて」
はい、と差し出したご飯を受け取りながら少し不服そうな顔してる高嗣が急に箸を置いてこっちを見る。
「なぁ、A今日何してた？」
「え、今日？」
あ、今日は…
「あいつと会ってた？」
高嗣の冷たい視線が私を捕らえる。
その鋭い眼力に誤魔化せないと思った。
「ああ…うん」
「もう会わないって言ってなかった？」
「っ、言った」
「じゃあなんで？」
「…それは、ちょっと、」
気まずさから目を合わせられなくなって俯いてたら、はあ、と大きな溜め息が聞こえてきた。
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
