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「ほら、やっぱり両想いじゃない」
「え？」
何言ってんだ、この人は…と混乱する頭を整理しようと首を傾げてたら、押した階でエレベーターが止まってドアが開くとそのまま外に出る。反射的にそれに付いて歩こうとしたら突然立ち止まった玉森くんの背中に衝突した。
「っ、！！」
「俺の好きな人、Aなんだけど」
「え？
今、なんて、言った、？」
背中を向けたまま呟くように言うから聞き間違いなんじゃないかと聞き返す。
「マネージャーの時は近くにいて当たり前だったから平和ボケ？してたのかも」
「玉森くんが、私を？」
「Aの気持ちが聞きたい。俺はメンバーで何番目？」
クルッと振り返った玉森くんが真剣な顔して私を見つめる。
質問が可愛過ぎる。
そしてその答えは誰を選んでも贅沢過ぎる。
でも私の気持ちはずっと前から決まってる。
「私は、玉森くんが一番好き」
メンバーに決して優劣をつけるわけじゃない。
だけど私の心は玉森くんを前にするときゅんっと高鳴るの。
「両想いで良かった」
そう言いながら不意に差し出した手を戸惑いながらも握る。
「気付いてなかったの？
みんなは私の気持ちなんてすっかり分かってたよ」
「だって俺だけずっと�犇命垢�ん�瓩覆鵑世發鵝�他はみんなあだ名なのに他人感満載じゃん」
「あぁー、でも宮田くんもだよ？」
「宮田は呼び名関係なく恋愛対象にならないじゃん」
「え、何それ(笑)」
急にディスるから笑ってしまう。
「…え？」
地下駐車場で待つタクシーに乗り込んでまたすぐに繋がれた手に思わず視線を落とす。
ここ、公共の場なのに…
「お店着くまで、いいでしょ？」
「う、うん」
「帰る時も、家に着くまでね」
柔らかくふわりと笑う玉森くん。
この笑顔が癒やしであり、たまらなく愛おしい。
私の心臓はまたうるさく鳴り響く__
「みんな言ってたんだよ、玉森くんは私の王子様だって」
そんな私の言葉に「ええー王子様キャラはガヤさんでしょー」なんて笑ってる玉森くんの笑顔に自分で言っておきながら恥ずかしくなる。
�爐笋辰僂蟾イ�だ��
そんな気持ちを込めて、私の手を包み込むように繋がれた玉森くんの手を今よりも少しだけ力を込めて握り直した。
Fin...
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
